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通常の保証人と連帯保証人の違い
2018年5月28日 tanitaka8
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「保証人」…皆さんも知人や親類から保証人になってくれと頼まれることが、あるかもしれません。できれば、断りたいのが本音でしょうが、断り切れないないこともあるでしょう。そのような場合に自己の保身のためにも理論武装として知っておいた方がいいのが「通常の保証人」と「連帯保証人」の違いです。
同じ保証人ですが、実は両者には大きな違いがあります。
連帯保証人の方がはるかに責任が重くなっています。通常の保証人には容認されている「催促の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」の三つが連帯保証人には認められていません。
次の事例をもとに説明します。
甲(借主)が乙(貸主)から1,000万円を借りるにあたり、X(連帯保証人)とY(連帯保証人)の二人が甲の1,000万円の債務について連帯して保証をした。後日、貸主である乙から、連帯保証人であるXに対し連帯保証人として、甲に代って1,000万円の返済を求められました。
1.催促の抗弁権
当然にXとしては、まず先に本来の借主である甲から返済してもらってくれ、と要求したいところです。
この権利を催告の抗弁権といいますが、通常の保証人には認められているこの権利が連帯保証人には認められていません。したがって、Xは甲の求めに応じて1,000万円の返済義務が生じるのです。
2.検索の抗弁権
本来の借主である甲に財産があって、なおかつ取立が容易であることを証明すれば、甲の財産を差し押さえるまで、保証債務の履行を拒むことのできる権利を検索の抗弁権といいます。連帯保証人には、催告の抗弁権と同様に検索の抗弁権も認められていません。
そのため、本来の借主である甲よりも先に連帯保証人Xの財産が差し押さえられてしまう、という事態も起こりえます。
3.分別の利益
分別の利益とは、保証人が複数人存在する場合、基本的に各保証人は等しい割合で債務を負担することを言います。
1,000万円の債務について、保証人が二人が存在する場合、通常の保証であれば各人が500万円づつ責任を負います。ところが、事例では確かに保証人はXとYの二人が存在しますが、連帯保証ですから分別の利益は認められておらず、Xは貸主である乙からの請求に対してYから500万円返済してもらうよう主張することはできず1,000万円の返済義務が生じます。
4.まとめ
上述の通り、連帯保証人であるXは「まず借主である甲に請求してほしい」とは言えず、貸主である乙が借主である甲の財産よりも先にXの財産を差し押さえても文句は言えない、ということになります。また、もう一人の連帯保証人であるYの存在を理由に500万円のみ責任を負うということもできません。
もっとも、Xは自分が支払った部分については、たとえ連帯保証人であったとしても、通常の保証と同様に、求償権は有していますから借主である甲やもう一人の連帯保証人であるYに返済を求める権利は認められています。
5.保証人には注意
身近な例としては、住宅ローンや奨学金について保証を依頼されることが考えられます。
住宅ローンの場合は、ほぼ100%連帯保証人です。奨学金の場合は親が連帯保証人でそれ以外に通常の保証人が要求されるケースが多いようです。
保証人となる際は、契約の内容を十分に確認し、通常の保証人なのか、それとも連帯保証人なのか見極めることが必要です。もちろん本来の借主が約定通りに返済している限りは、保証人が返済を要求されることはないでしょうが、安易に保証人や連帯保証人を引き受けてしまうと、後々取り返しのつかないことになるかもしれません。
保証人を依頼された時には、くれぐれも慎重な判断が必要です。
☆第二編集長 アクビちゃんの編集コメント☆
初代編集長、昨日もフォローありがとうございました(´;ω;`)
ポッキーさんの虚弱体質を馬鹿にしたバチが当たったのか、私が寝込んでしまいました。
tanitaka8先生、お久しぶりです♪
まだお会いできていませんが、お陰様で無事復帰を果たすことが出来ました!
今回のお題は、ちょっと恐ろしいですねぇ…
保証人になるような事は避けて生きていきたいものですが、長い人生何があるかわかりませんものね。
『知識』とは自分を守ってくれるものだ、と私は考えています。私の考える『知識』というのは決して『勉強』の事だけではなく、日頃の生活から得る様々な情報や豆知識の事。
言うなれば『雑学』、でしょうか?必要な知識がなければ対応が出来ない、もしくは遅れてしまう。知識があれば、的確な対応が迅速に出来る。
たいそうな事を言ってますが、私はお勉強が大の苦手。
そんな私ですが、日頃の記憶力は良いほうだと思います。(自己評価高めでスミマセン)
勉強するというよりも、気になった事は頭の片隅にちょっと覚えておく、という感覚でいると、いざという時、わりとすんなり思い出すことができるような気がします。
読者の皆様も今日、この記事のお陰でひとつ『知識』を得る事ができましたね。
もし今後『保証人』に、、と頼まれた際には、忘れずに確認してくださいね!!!
・・・判子ひとつで人生変わるかもしれませんよ~~(*ノェノ)キャー
投稿者プロフィール
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レベスト経理の味方「tanitaka8」。編集長の大学の先輩であり、ポッキーを顎で使う達人。車好き。
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コメント
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私は既に保証人経験済みです
とは言っても
連帯保証人ではないですし
借金やローンについてではなく
知人が就職する際の身分の保証人でした
今は会社に入る際に
法律違反を起こすような人ではないよと
身分保証することが求められるようですね
なんだか江戸時代に戻ったような気分でもありますが。。。
連帯保証人って貸す側のリスク分散にはなりますが
連帯保証人には不利益があっても利益はないですし
その割に借りる側に成約が課されない不思議な制度に感じます
連帯保証人にも保険のようなリスク分散機会が欲しいですよね
高橋様>コメントをありがとうございます…
実は、小生もこの投稿を書いてる途中に友人の勤め先に対して身分の保証人になってたことを思い出して危惧しているところです。
保証人制度についてはなんらかの見直しが必要でしょうね。
この話は、宅建の「権利関係」の分野でも出て来ますね!はい。受験生の皆様、Checkです!
私は小さい頃から親に住宅ローン以外の借金はするな。車はキャッシュで買え。他人の保証人にはなるな。他人に借金を申し込まれたら、返ってこなくても良い範囲で、あげるつもりで渡しなさい。と教えられました。
寺ママ>コメントをありがとう御座います。
素晴らしい教えですね。
小生の債務は住宅ローンと奨学金ですが、どちらも無いに越したことはありませんね。