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201810/1

灯台もと暗し

2018年10月1日  B.I
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 

いつまで経っても慣れないなー。

その時が来るのを椅子に座ってじっと待っていた。

さっさと終わりたい気持ちと本当に大丈夫なのかという気持ちが交錯している。

「大島さん、どうぞ」

女性に呼ばれ、部屋に入ると目の前の椅子に腰を下ろした。

目の前で一人の男性が画面を凝視している。

運命の瞬間はまぢかに迫っていた。

「けっかはっぴょ~~~う!!」

緊張を和らげるためかどうかは分からないが、ダウンタウンはまちゃんの声が突如脳裏をかすめた。

「至って健康ですね。血圧、血液検査、レントゲン特に問題ないです。お疲れさまでした。」

「ありがとうございます・・・」

 

 

先日の健康診断の一幕だ。

特に健康に不安があるわけではない。

じゃあその一方で日頃から健康に心がけた生活をしているかというとそうでもない。

万が一のことを考えると、病院という空間では私以外にも多くの人が不安な気持ちを抱いているのではないだろうか。

しかし私にとって病院はある種思い出の場所になっている。

それは今から約20年前、私が幼稚園の年長だった時に遡る。

小学校以前の記憶は正直断片的にしか覚えていない。

しかし、これからお話しする出来事を思い出そうとすると、タンスの一番手前にきれいにたたまれている洋服のようにすっと記憶が取り出され情景が鮮明に浮かんでくる。

なぜこの出来事が私の記憶に止まり続けるのかそれをこれからお話ししよう。

 

 

「お母さん、何か体がしんどい。」

ある朝、起きるなり私は母にそう言った。

「あら、どうしたの急に。昨日あんなに元気だったのに、大丈夫?」

「今日幼稚園休みたい。」

「おでこ触った感じは普段と変わらないけど、とりあえず熱を測ろっか。」

「頼む。休めるぐらいの熱あってくれ。」と私は心の中で祈った。

音が鳴り、確認すると・・・平熱だった。

咳が出始めた、いや正しくは咳をし始めた。

「咳も出るの?ちょっと心配だから病院行こうか?」

これまでは体調が悪いととりあえずその日は休んで様子を見ることが多かった。

今日はそれを踏まえての行動だったが、まさか病院に行くことになるとは。

予想外だ。

もうお気づきだろうが、熱があるわけでもなく、咳が出るわけでもなく、むしろ体調はすぐれている方だ。

実は前日に友達で仲の良かったリョウ君とケンカをしてしまった。

今日はリョウ君と会いたくない、その気持ちが今朝の行動を引き起こした。

病院に行って診察の結果何の問題もなかった、ということになれば遅れてでも幼稚園に行かされるかもしれない。

ウソがばれることの怖さとケンカしたリョウ君と今日顔を合わせないといけないかもしれない不安な気持ちを抱きながら病院へ向かった。

病院でいくつかの診察を受け、いざ結果発表。

当然何もないんだろうな、このあと幼稚園に行かされるのかな。

そんな不安を抱きながら母と一緒に診察室に入ると資料を見ながら医師が口を開いた。

「マイコプラズマ肺炎の可能性があります。」

「ん・・・肺炎?」

「感染症の一種で症状は風邪とよく似ています。お子さんの症状を見る限りでは咳がひどいようですが、まだ熱が出ていないのでそれほど心配する必要はないとは思います。

ただ、体も小さく抗体ができていないので、念のため3日間入院して安静にすることをおすすめします。

「あのー、咳は全く出ないんですけど。何かの間違いじゃないですか。」私は心の中でそう思った。

「重症化する前で良かったです。そうしたら大事をとって入院します。」母が即答した。

この状況までくるとさすがに全てがウソだとは口が裂けても言えなかった。

朝自分自身が想像していたのは今日一日家にいることだった。

しかしふたを開けてみると病院で3日間の入院。

現実は恐ろしい、そう思った。

 

 

入院中は特にすることも無く1日がとても長く感じたが、その分色々な事を考えさせられた。

自分自身のウソがこのような事態を招いたという反省と偶然にも病気の早期発見に繋がった結果オーライの部分と複雑な心境だった。

リョウ君はまだ怒ってるのかな。

クラスのみんなは楽しく遊んでるのかな。

そう思うと幼稚園が恋しくなってきた。

いつもと場所が違うからか、クラスのことが気になるからか、初日の夜は寝ようにもなかなか寝付けなかった。

2日目の夕方、クラスの先生がお見舞いに来てくれた。

「体調はどう?」

「だいぶ良くなっていて、明日には退院出来そうです。」

「それは良かった。そうそう、実は今日渡したいものがあって来たんだけど。」

そう言うと、袋の中からあるモノを取りだした。

それはクラスみんなのメッセージが書かれた寄せ書きだった。

そこには体調を心配したり、また元気になったら遊ぼうというようなうれしいメッセージがぎっしり詰まっていた。

 

 

最初に目についた文章を2、3個見ただけだったが涙が出そうなくらい嬉しかった。

「この寄せ書き最初に誰が送ろうって言ったか分かる?」

「えっ誰ですか?」

「実はね、トモヤ君が数日入院することになったってクラスのみんなに伝えたら真っ先にリョウ君が何か送ってあげようって言ったの。それでみんなで話し合って寄せ書きを書くことにしたの。」

「そうなんだ・・・」

「その後も休み時間に先生のところに来てトモヤ君は次いつ来るのって聞くから、まだ分からないよと答えると悲しい顔して早く遊びたいなって言ってたよ。」

クラスのみんなの思いは当然嬉しかったが、ケンカをしていたリョウ君が自分のために声を上げてしてくれたことは何にも代えがたい嬉しさだった。

それと同時にちょっとケンカをしたぐらいで会いたくないと思った自分への情けなさを痛感した。

「先生。早く退院して幼稚園に行きたい。」

自然と言葉が出てきた。

「みんな待ってるから早く元気になってね。」

そういって先生は帰って行った。

病室が私一人になり、静寂に包まれると緊張の糸がゆるんだのか、目から涙が溢れた。

 

 

「明日絶対退院しよう。そしてみんなにお礼を言わなきゃ。」

心の中でそう決心した。

3日目の朝、前日とは打って変わってよく寝れた。

ベッドに慣れたのか、それもあるかもしれない。

しかしそれ以上に心が晴れやかな気がした。

病は気からと言われるが今の自分自身ならどんな病気にも打ち勝てそうだった。

検査の結果、特に異常はなくすぐに退院できるということだった。

ただ、今日一日は自宅で様子を見て、幼稚園は明日から行くことになった。

退院翌日、待ちに待った日がようやく来た。

準備を急いで済ませ家を出た。

リョウ君は家が近く送迎バスの待ち合わせ場所が同じだった。

送迎バスの待ち合わせ場所へはリョウ君が先に来ていることがほとんどだったので、早く会いたいという気持ちが自然とかけ足にさせた。

待ち合わせ場所が目に入ったところで違和感を感じた。

そこにはあるべき姿がなかった。

その後もしばらく待ったが来る気配がない。

すると先に姿を見せたのは交差点から曲がってくる送迎バスだった。

どうしたのかな。

リョウ君今日は休みかな。

心配しているとバスの横を同じ速度で走ってくる一人の少年がいた。

それはまぎれもなくリョウ君だった。

そのスピードは衰えることもなくバスと同時に目の前に到着した。

「トモヤ君久しぶり。はぁ、はぁ、体調大丈夫?」

「ぼくは大丈夫だけど、リョウ君こそ大丈夫?見たこともない早さで走ってたけど。」

「途中で水筒忘れてることに気づいて家に戻ったんだ。はぁ、はぁ、でも今日トモヤ君が久しぶりに来るって聞いたから絶対会わなきゃと思って。」

「そんなに無理しなくてもよかったのに。それよりこの間はケンカなんかしてごめんね。」

「こっちこそごめん。また今日から一緒に遊ぼう。」

「もちろん。」

普段当たり前のように行く場所、普段当たり前のように会う人は私にとってかけがえのない存在だと気付かされた。

 

 

この場所でこの人たちと共有できる時間は限られている。

だからこそ今を大切に楽しい思い出を1つでも多く残していこう、そう思った。


編集長

今回は結構「時」を遡りましたね!!幼い頃のB.I氏、見てみたいですね。でもちょっと想像つくかも…w(変わってなさそう)
ちょっとした嘘がどんどん一人歩きしていってしまってもう後戻りできない…。いつバレるだろうというドキドキ、ハラハラなスリル。
きっととても刺激的な経験だったことでしょう。20年経った今もなお、「記憶」という名のタンスの最前列を陣取るほどに。
私の幼少期はまだ電子体温計ではなく水銀体温計だったので、熱が出るのを待つのではなく、自分で出せてたw(考え付くありとあらゆる手法で温める!)
しかもラッキーなことに、一番近い小児病院はヤブで有名だったので、自称「風邪」と告げ診察を受ければその通りの診断がくだるという神スポットでした。
もはや阿吽の呼吸wあの先生にはずいぶんお世話になったなぁ。。。

投稿者プロフィール

B・I
B・I

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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。レベスト男性社員で一番の若手です!数々の資格保持者。

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    • 高橋み
    • 2018年 10月 02日

    もう幼稚園行かへん!!の寛平ちゃんを思い出しました。

    「仮病を使いたい」そんな時って
    実は体力が落ちてることが多いと思います。
    精神的にしんどい時も免疫が落ちてそういうの呼び寄せますからね。
    それに編集長のコメントもそうですが
    案外、子供の心情を分かって
    診断に色をつけているのかも?それかやっぱりヤブかも?
    いずれにせよ
    この入院がきっかけでうまくいったのなら
    それはお医者様のファインプレーですね。

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