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「あの戦い」がやってくる
2017年12月15日 B.I
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
ここ数日急に気温が下がり肌寒くなってきた。
こういう季節の変わり目になると自分自身の中でまた「あの戦い」がやってくることを予感させる。
とある休みの日、昼からの戦いに向けて、朝からネットで情報収集。そして、頭の中を整理する。
準備が出来たところで、車で外出。15分ほど走ると目的地に到着。戦闘態勢で車を降りると目の前には某大手ファッションメーカーの店舗。ここに来た目的はそう、服を買いに来たのである。なぜここが私にとっての戦いの場なのか。それは、高校生の時のある出来事がきっかけとなっている。
あれは確か今と同じように気温が下がり始め、冬服を一人で買いに行ったときのこと。
当時は、どんな服を買おうかわくわくした気持ちで店舗に足を踏み入れた。店舗に入った瞬間、バイトをしている大学生、もしくは社員として働き始めてそんなに年数が経っていないであろう若い男性の人と目が合った。少し距離はあったが、相手は笑顔で会釈をしてきた。それを見て僕も会釈で返した。
その流れで店内に入り、冬服に一通り目を通していると、ふいに横から「何かお探しですか」と声をかけられた。急に声をかけられたので少し驚きながらも振り向くと、先ほど目が合った店員が目の前に立っていた。
「冬服で上に羽織れるジャケットを探しているんですけど」
「それでしたら、いま流行りの商品がこちらにございます」
そう言って、ある一角の商品を紹介してもらった。店員の熱心な説明を聞き、とりあえず賛同していると、試着を勧められたので、店員と一緒に試着室に向かった。
実際に着てみると、サイズ感はピッタリでデザインも良かった。これを買おうかとも思ったが、ただ一つ気掛かりな事があった。ここまでの一連の出来事が入店してからおそらく10~15分しか経っておらず、店内の他の商品はまだ一通り見ていない。今着ているものよりも良いものが店内にあるのではないかという考えと、試着までして保留や購入しないということを店員に伝えなければいけないという葛藤が、試着室という隔離された空間の中で頭をよぎった。
「お客様ご試着いかがでしょうか」
答えが決まらぬままカーテンを開け、
「サイズ感も問題ないのでこれにします」
勢いで言ってしまった。
とりあえず今日は一着だけ買おうと決めていたので、そのまま家に帰った。家に着き、買った服を見返した時に湧いてきた感情は欲しい物が買えたという満足感ではなく、試着室で頭をよぎった気掛かりな事だった。当時から初対面の人と話をするのが苦手だという自覚はなかったが、今思い返してみると、頼まれたことや勧められたことに対して理由をつけて断るという経験があまりなかったかもしれない。それが裏目に出てしまったのが今回のケースである。
社会人となった今は学生だった時とは考え方も大きく変わり、店員さんの仕事は日頃の業務で身に付けた商品知識をお客様に紹介することで納得して商品を買ってもらうことなので、売る側の気持ちが分からないこともない。
ただ、当時から考え方として変わっていないのは、納得して服を買うためにはある程度時間をかけて吟味する必要があるということだ。そこで私はこれらの経験を踏まえ、店舗に入ってから服を買うまでのゴールデンルートを編み出した。重要なことはいかに店員に話しかけられない環境を自分で作り出せるかだ。
過去の話はこの辺にしておいて、車を降りた私はそのゴールデンルートを頭の中でイメージしながら戦場に足を踏み入れた。
まず一番最初に自分の欲しい洋服がどのあたりにあるのかという位置関係を把握するためにゆっくりと店内を見て回った。この時足を止めてしまうと、店員が横から声をかける隙を与えてしまうので、歩きながら後でもう一度確認したい場所を覚えておくことが大切だ。
一通り確認を終えたら、先ほど覚えておいたポイントの中で店員から一番距離のある場所へまず向かう。そして、洋服をチェックするのだが、ここが一番の勝負どころだ。なぜなら、ここで洋服に集中してしまうと間合いを一気に詰められ、相手のペースに持ち込まれてしまう危険性がある。いかに怪しまれることなく定期的に周りの状況を確認できるかが勝負の分かれ目だ。勝敗を大きく左右する勝負所と踏んだ私は、長年の経験で培った匠の技を繰り出した。
洋服を手に取り、目線の高さまで上げ、チェックしているように見せかけ、横目でチラッと周辺の様子を探る。この一連の動作をいかにさりげなくこなすか、というところに磨きをかけてきた。周りに店員がいなければ一安心だが、目線の先にこちらに向かってくる店員が見えた。殺気を感じた私は洋服を戻し、次のポイントに移動した。
常に緊張と隣り合わせの中これを繰り返し、試着したい洋服を2点に絞った。そのまま一人で試着室に入ることが出来れば、今日の戦いに勝つことが出来る。何も悪いことはしていないのだが、この戦場で唯一の安全地帯である試着室に逃げ込むように向かった。
「よし、今日はうまくいったぞ」試着室まであと数メートルのところで、突然後ろから「すいません」と男性に声をかけられた。その瞬間、希望は絶望へと変わった。
恐る恐る後ろを振り返ると、そこには見知らぬ顔の男性が立っていた。目が合った瞬間、男性は「ハンカチ落としましたよ」と私に語りかけた。ハンカチを受け取り、お礼を言うとその男性は立ち去って行った。身なりからしてその男性は店員ではなく、一般のお客様だった。
九死に一生を得た私は急いで試着室に入り、カーテンを閉めた。ここまできてようやく緊張感から解放され肩の荷が下りた。試着をしてみると、二着ともサイズがぴったりだったので二着とも購入し、勝利の余韻に浸りながら戦場を後にした。
このような戦いを年に数回行っている私にとって明るい情報といえば、ネットで服を買うことが当たり前の時代になりつつあるということだ。ただ、服をネットで買うとなると袖の長さなどの微妙なサイズ感が分からないのが難点だ。その不安が私の中で解消されない限り、これからも戦いは続くだろう…

編集長
──2ヶ月ぶり、またも葛藤である。
B.I氏の小説風ブログ、嫌いではない。
しかしコメントをどのテンション、どのテイストで行くべきか。
葛藤である。
タバコに火をつけ窓の外の喧騒を眺めるが、そこに答えはない。
あるのは隣接するビルの壁。
友人に助けを求めるため携帯電話を取り出すが、そこにもやはり答えはない。
そもそも私には友人がいないのだ。
さて、おそらく誰もが感じたであろう部分に噛みついてみる。
まず1つ目、店員に対する感情がおかしい。
そして2つ目、他の服も見てみたいと告げるだけで良いのではないか。
最後に3つ目、「──だ」「──である」を使っているだけで
小説っぽくなくなりつつあるのではないか・・・。
危惧すべきは3つ目であるが、小説とは何かという疑問が生じてしまう。やめておこう。
ツッコミではなく、ただの指摘のようになってしまったのは文体のせいである。
コメント失敗だろうか。否、結果はまだわからない。
次回以降もB.I氏はこの小説風ブログを続けるだろう。
彼がこれを続ける限り、私は葛藤し続けるのだ。
編集注:今回は小説っぽくということで、本文中に写真を使ってません。
手抜きじゃないよ!!
投稿者プロフィール

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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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コメント
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ゴールデンルートwwwww
駆け引き楽しみすぎですねwwwww
あと、試着室に入る時はなるべく店員さんに声かけてあげてね。
ネット通販か。。。
私も利用しますが
サイズがベスト!ってことはあまり無いですね。
「Mサイズ」でだいたいなんでもいける体型にも関わらず。。。
やはりお店を回って、各店員と熱いバトルをするべきでしょう。
今週末にオンワードのファミリーセールあるけど
チケット要る?
逃げるが勝ち??
逃走中みたいですね。
ネット通販僕もタマに
利用しますね。
サイズは少し大きめのものを
買うと以外としっくりします。