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活字中毒のススメ
2019年12月23日 図書委員
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みなさまおはようございます。
もうすぐ冬休みです。9連休という方も多いのではないのでしょうか。そこで、寝正月の方におすすめのサイトを紹介いたします。
私は活字中毒者です。かなり重症です。どれほど重症かと言いますと、30年ほど前に椎名誠の「もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵」(角川文庫で今も売っているようです)という作品を読んだとき、この主人公は私だ、と思ったぐらいです。学生時代から、2年前までは、毎日、1~2冊の文庫本を読む生活がずっと続いていました。そのため、東京支店にいた2年目には、マンションの壁がこんなふうになってしまいました。
過去形です。そうなのです。2年ほど前から、あまり、本を買わなくなったのです。
きっかけは、アニメ「幼女戦記」です。かなり面白いアニメだったので原作の書籍の出版社情報をさがしていたら、WEB小説のサイトに行きついたのです。「アルカディア」というサイトでした。スマホで表示するとかなり読みにくかったのですが、それでも全部、読みました。作者のカルロ・ゼンは、ほかのサイトにも別の作品を書いているとあったので、ついに、そのサイト「小説家になろう」に行きついてしまったのです。素人の作家さんの作品ですので、文章にも誤字脱字があったり、文法的に変だったりするのですが、プロの作家さんに対しても、ストーリーのアイディア勝負では負けていなかったりします。
余談ですが、最近、国土交通省の若手官僚が「政策ベンチャー2030」という施策を提言しており、その中でが「『消耗戦による衰退』から『戦略的な撤退』へ」と書いたことが一部で物議をかもしました。この官僚は絶対に「幼女戦記」を読んだ人だと確信してしまいました。幼女戦記は消耗戦と政治についての物語でしたから。
さて、「なろう」については、「おすすめ」をまとめた方もいて、そちらに書いてある作品を最初は、読んでいましたが、完結していない作品も含まれていたので、ときに残念な気分も味わいました。このような未完の作品(エタった作品)の多くは、作者が疲れてしまった場合もあるようですが、書籍化が決定し、1巻は発売されたのに、売れ行きが悪く、2巻目は出版されないことになって作家さんが潰れてしまった場合に発生するようです。
未完結の作品は最終ページを読んだ瞬間にがっかりします。吉川英治の「新・水滸伝」、隆慶一郎の「吉原御免状」シリーズなどは、未完であっても名作ですが、それでも、がっかりしたことを覚えています。ですので、今は、ランキングサイト「小説を読もう」で「年間完結済み」「累計完結済み」のみ読むことにしています。
今、私のスマホには、フォルダーが7つあります。そのフォルダーにはそれぞれ150ぐらいのブックマークが入っているのでかなりの「なろう」小説を読んだことになります。
その中から、年末・年始におすすめの作品をいくつか紹介いたします。リンク先は縦書きのPDFです。
変な広告などが表示されませんので、お子様でも大丈夫です。スマホで読みたい方はタイトルでGoogle検索してみてください。
ジャンルはファンタジーです。完結しているのになぜか、現在は未完結のランキングに入れられてしまって、123位です。書籍化・コミック化されています。文章がとても端正で、藤沢周平の小説のような作品です。ストーリーは、大陸東部辺境の貴族家に仕えた一人の老騎士。引退を願い出、財産を返上してきままな一人旅に出た。それが大陸中で語り継がれる冒険譚の幕開け・・・、というような内容です。
累計完結済ランキング第1位。数年前に完結しているのに、本年度の年間完結済みでも第2位。読み続けられている作品なのです。「なろう」では「異世界転生もの」が多いのですが、その金字塔です。そして、多くの素人作家が「なろう」でチャレンジし続ける目標となっています。ストーリーは、通り魔に刺されて死んだサラリーマンが、異世界の洞窟でスライム(一般的には最弱の魔物)として転生する、というものです。
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~
すでに書籍化・コミック化・アニメ化もされているのでご存知の方も多いと思います。累計完結済ランキングは4位。ポイントは321,170。この主人公も活字中毒者ですね。ヨーロッパの中世のような異世界にトリップしてしまった主人公は活字のない生活に耐えられず、本を作るためにあらゆる艱難辛苦を乗り越えていく・・・というような内容です。「もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵」を綺麗なファンタジーにすると、きっとこういう内容になるのでしょう。WIKIPEDIAに評論家である飯田一史氏の素晴らしい評論の一部が掲載されています。
おすすめはたくさんあるのですが、このあたりから入るとWEB小説の世界が楽しめると思います。
未完って、「エタる」っていうのですね!!ww 「エモい」の使い方も分からない私。。。勉強になりましたw 活字中毒でこそないですが、私も幼い頃から読書(漫画も含むけどw)が大好きでした。(過去形なのは今現在、本と対峙する時間が全く取れなくなってしまったから…)学生時代は土日も夏休みも捧げて毎日本屋さんでバイトしてたくらいです!
エタった作品に何度切ない思いをさせられてきたことか・・・。途中で作者が突然亡くなってしまったなんて時には、もう本当に続きは出ないんだ、、と絶望したり。そんな時には、よく脳内で続編を自分勝手に書いて都合のいいように楽しんでいたのですが、年々頭が堅くなって想像力が乏しくなってしまったのか、自分の納得行く脳内ストーリーすら書けなくなってきてしまいました。。。それが地味に悲しい~(;;)生きていく上で一番大事なのは想像力だと思ってるので。
WEB上の読書もとても便利だし物を無駄に増やさずに済むのがいいところだと思うのですが、個人的には本屋さんのあの独特の雰囲気というか、本の匂いというか、、出版社別に並んだカラフルな背表紙に囲まれながら「さて、今日はどんな素敵な出会いがあるかしら?」と棚から棚へ練り歩いている時間が好きです♪(本の匂いを嗅ぐとお手洗いに行きたくなっちゃう!って人もいるみたいですがw)
投稿者プロフィール
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連休には必ず旅行する「図書委員」こと田渕聡子。本社休憩室の全ての蔵書は自宅に保管できず溢れ出たもの。本も棚もまだまだ増える予定・・・。
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コメント
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転スラは「なろう」の作品だったのですね
アニメ化はまだまだ中盤と言う感じですから
活字を追いきれない私はそっち待ちです
(最近はそれすらできない
web作品は同人制作の中でも
比較的リスクを抑えることができるので
作者がより多くのチャレンジをできますね
AIが力をつけて小説も既に書ける時代ですが
空想や理想を描くのはまだしばらくは
人間の特権で
それを互いに共有するツールとしての言葉
活字はもっと活用されていいのでしょうけれど