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人材の宝庫
2019年1月8日 B.I
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その日は何か不思議な力によって目が覚めた、そんな気がした。
前日の大晦日、毎年恒例のガキの使いを見ながら食べて飲んで笑って番組が終われば寝る準備を始める。
お酒も程よくまわり布団に入るとすぐに眠りについた。
それにもかかわらず目覚めがすっきりしている。携帯で時刻を確認すると午前6時、家族はまだ寝ている。
洗面所で顔を洗った後、いつもならテレビを見るところだが、外を少し散歩してみようとふと思った。
外に出るとまだ薄暗かったが、そこにはいつもと違う景色が目の前に広がっていた。
広大な田んぼに薄らと白く雪が積もり、いつもははっきりと見える山も靄がかかり所々にその姿が垣間見えた。
ここは宮崎県えびの市、昨日大晦日の午前中におばあちゃんの家に帰ってきた。
都会の喧騒とした雰囲気とは正反対の自然に囲まれた場所で、時間がゆっくりと流れているような気がした。
田んぼの横の舗装された道をゆっくりと歩きながら昔の思い出にふけっていると、遠くに人影が見えた。
薄暗かったこともありはっきりと顔は分からなかったが、その人影は少しずつこちらに歩いて近づいてきた。
近所の人が散歩しているのかな、そう思いながら近くに来たところで顔を確認すると驚きでその場に立ちすくんだ。
白髪に白いひげを生やし、袈裟を着ているまさにイメージ通りの仙人が私の前に現れた。
すると仙人は突然私の目の前で足を止め「おはようございます」と声をかけてきた。
驚きを隠しきれなかったが「おはようございます」と反射的に返答した。
「すがすがしい朝ですね。新年最初の朝にこうやって歩いていると心を新たに今年も頑張ろうという気持ちになりますね。」
「そうですね。」何となく二つ返事で返すと、
「去年はいい年になりましたか?」と聞かれた。
「トータルで見ると充実した一年だったとは思うんですが、挑戦できなかったことも色々とあるので今年はチャレンジの年にしたいです。」
「良い心掛けですね。私もその気持ちを見習いたいものです。その気持ちを常に持ち続けていればきっと大丈夫でしょう。それでは。」
そう言うと仙人は元来た道をゆっくりと引き返していき、やがてその姿は見えなくなった。
何だったんだろう。
ふと我に返った。
新年最初の朝に仙人と会い、背中を押してもらった。
今年は良い一年になるかもしれないと思った矢先、人影が再び近づいてきた。
もしやと思い背筋を伸ばして待っているとその人影はやはり仙人だった。
しかし先ほどとは何か様子が違う。
ものすごい勢いで近づいてくるので何事かと思っていると、仙人が前傾姿勢で自転車に乗っていた。
私の横をすり抜けていく時に「ではまた。」とだけ言い残し颯爽と消えた。
これで近所に住んでいるおじさんだと分かったが、自分の中のもやもやを吐き捨てるように「仙人ならせめて歩け!」という言葉が口から自然と出た。
家に帰るとおばあちゃんとおじいちゃんが起きていた。
身内相手に恥ずかしながら新年の挨拶を済ませると、おじいちゃんが「こんなに朝早くどこに行ってたの?」と聞いてきた。
散歩してたら仙人に出会った、と言おうかとも思ったが、上手くオチまで話せる自信がなかったので、「朝早く目が覚めたから昔おじいちゃんとカブトムシを取っていた木まで散歩に行っていた。」と答えた。
その日の午後、家族で初詣に行くことにした。
神社は山の中腹にあり普段なら車で約20分の距離にある。
山のふもとに差し掛かったところで毎年見慣れた光景である車の渋滞が目に飛び込んできた。
元旦なので仕方ないとはいえ、のろのろと山を登って行くのは意外と大変だ。
ようやく駐車場に着くと多くの屋台が目に飛び込んできた。
車で長時間待ったこともありお腹がすいていたので、屋台を見て回ると、焼きそば、フランクフルト、焼き鳥などの屋台が並ぶ中に子供たちが行列を作っている場所があった。
気になったので近くに行ってみるとそこはわたあめ屋だった。
わたあめを作っている光景を目にした瞬間「おまえかい!」とつっこんでしまった。
そこには楽しそうに子供と話しながら作業をする仙人がいた。
私はなぜか恥ずかしくなり、その場を後にした。
帰りの車の中でも頭は仙人のことで一杯だった。
運命の再会、忘れたくても忘れられないこの気持ち・・・
「いやいやなんで運命の再会がお前やねん」
笑いとちょっとした憤りが複雑に混じり合った感情が押し寄せてきた。
翌日、朝からテレビを見て過ごしていたが、これといってすることがなかったので半年ほど前に近所に新しくできた家電量販店に父と行くことにした。
どうやら新春初売りセールをしているらしく、いいのがあれば買おうと前向きな気持ちでお店に向かった。
お店に向かう道中、駐車場一杯に車が止まっている場所があり、一際目を引いた。
そこはパチンコ屋だった。
田舎で娯楽が少ないとはいえ、新春早々これだけの人がパチンコに来ていることに驚いた。
一方、家電量販店の駐車場には数台の車が止まっているだけだった。
この時期にこの来客数で大丈夫なのかと勝手に思いながらお店に入ると、すぐ壁際に並んで陳列されている大型のテレビが目に飛び込んできた。
それぞれのテレビごとに各チャンネルのテレビ番組を流しており、そのうちの一つで有名なお笑い芸人が次々と漫才を披露する番組が流れていた。
気になったので近くで見てみると千鳥が漫才をしているところだった。
今や全国区で飛ぶ鳥を落とす勢いの千鳥だが、数年前まで関西で地道に頑張っていた姿を知っているので、当たり前のように全国ネットのテレビに出ている光景に少し嬉しくなった。
店内ではまずノートパソコンを見ることにした。
機能面も含め何を基準に選べばよいのか分からなかったので近くに置いてあったパンフレットをとりあえず手に取り目を通すことにした。
するとそこへ一人の店員が声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。ノートパソコンをお探しですか。」
振り向くと、私と同じくらいの年齢の男性店員がこれでもかというほど至近距離にいた。
あまりの近さにびっくりして半歩下がったが、「今使っているノートパソコンが古いのでそろそろ買い替え時かなと思いまして。」と返すと、
「今見て頂いてるパンフレットの中でおすすめなのはこちらの商品になります。」
と、パンフレットに指をさすのと同時に先ほど半歩開けた距離を再び縮めてきた。
「距離感のクセがすごい!」
と心の中で思いながら耳に入ってこない説明をただただ聞いていた。
でもこれだけ熱心に説明してもらっているので何か一つでも知識として学んでおこうと思ったところで店員が
「実は最後にお伝えしておきたいんですが、この商品・・・」と言うので、
何だろう、特典でもあるのかなと期待していると、
「私も数ヶ月前から愛用しています!」満面の笑みで言われた。
「・・・知らんがな!商品の勧め方のクセもすごい!」
危うく口から出そうな言葉を飲み込んだ。
「今日初めて見に来たので一度持ち帰って検討します。」と言ってその場を離れた。
少し距離を取りたいと思い歩いていると、イヤホン売り場があった。
弟がbluetoothのイヤホンが欲しいと言っていたのを思い出し買ってあげようと思った。
デザインも色々、値段もピン切りでどれにしようか迷ったが、気に入らなければ自分で使おうと思い自分好みの物を選びレジに持って行った。
商品をレジに置き店員の顔を見ると俳優の六角精児さんにそっくりだった。
「ドラマ相棒いつも見てます。鑑識から警察学校の教官になってしまいましたね。」と、心の中で思いながら支払いを終えた。
先に車に戻っていた父が開口一番、
「レジの人六角精児にそっくりじゃなかった?」、と聞いてきた。
「うん、めっちゃ似てた。ついでに言うとなかなかクセの強い相棒もいたよ。」
自分で言いながら笑ってしまった。
新年早々、仙人・・・のそっくりさん、千鳥の大悟・・・に負けず劣らずクセの強い店員、六角精児・・・のそっくりさん、に遭遇した。
決して縁起のいい出来事とはいえないが、第一印象で記憶にこびりつくキャラの強さにわずかながら羨ましさを感じた。
今年は亥年、猪突猛進して一年を駆け抜けていく中で、自分自身の中に眠る破天荒な部分が目を覚ますようなそんな気がする・・・
先日は”しゃちょー”からの強い命令で私アクビとDecoさんまで巻き添えを喰らい、不本意ながらYouTubeでびう致しましたw 私には”大根役者”という言葉がピッタリだと言えば例えられた大根ですら怒りを覚えるような出来栄えであろうことは撮影の最中から感じ取っておりましたので、私は観ていませんw いつかそっと消したいと企んでいますww それはさておき、B.I氏、昨年度の『レブログ大賞』に社内投票により『直紀賞』(←かの有名な賞をもじっているのは言わずもがな)に選ばれましたね~!おめでとうございます!!今年度はどんな作品を世に送り出してくれるのでしょうか?!個性溢れる登場人物たちに今後も目が離せませんねw
前回『物欲魔人』の素質を垣間見せたB.I氏が今回セールに繰り出したという下りから「もしやまた..」と思ったのですが、クセ強店員のお陰で(?)事なきを得たようでw
本家『物欲魔人』である弟のためにイヤホンを選ぶ優しい兄が、今年は破天荒な一面を見せてくれるという……どんな新しいB.I氏が見られるのか….密かに楽しみにしていますw
投稿者プロフィール
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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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コメント
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祖母の田舎で何度も繰り返す仙人との出会い
運命のなにかが回り始めたに違いありませんね
わたあめのような甘い時間が流れているのかも?
「忘れたくても忘れられないこの気持ち・・・」
ええ、やはり、はじまった感がありますね
お幸せに
「ドラマ相棒いつも見てます。」
ぜひ、伝えてあげて欲しかった。
今年はこころのツッコミをぜひ口に出していきましょう!
そこから新しいドラマが生まれるかも。。。