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20188/1

何かと持っている男

2018年8月1日 B.I 
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 

とある平日、会社帰りの電車の中でネットニュースを見ていたら、

画面にLINEのメッセージが飛び込んできた。

 

「久しぶり。元気にしていますか。来週大阪に戻ることになりました。
また久しぶりに二人きりで楽しくお酒を飲めればと思っているのですが、
予定はどうですか。連絡待ってます。」

 

一瞬ドキッとしたが、相手の名前を見ると、

大学の時に同じゼミに所属していた男友達のカズマだった。

カズマは大学を卒業して東京の会社に就職したので、たまに連絡を取ることはあったが、

久しく会っていなかった。

 

予定等なかったので行けるよと返事を返し、休日に指定されたお店へ手土産を買って行った。

 

お店に入りカズマがどこにいるか探していると、

一人の男性がこちらに手を振っているのが見えた。

遠目ながらカズマだと分かり、近寄っていくと顔つきは以前とそんなに変わっていなかったが、

髪が短くなり全体的にスタイリッシュな印象だった。

 

お酒を飲みながらまずはお互いの近況報告をした。

カズマは以前と変わらず食品卸会社で営業をしていた。

得意先を回ったり、プレゼン用の資料の作成などで日々忙しくしているようだが、

休日にジムに行って体を動かすことで気持ちをリフレッシュしているようだった。

 

お互いの近況報告が一通り終わると、話は自然と大学時代の思い出話になった。

 

カズマと仲良くなったきっかけは、2回生の時に大学が募集していた1ヶ月間のカナダでの語学研修

一緒に参加した事だった。

出発前に行われた顔合わせと持ち物の確認を兼ねた打ち合わせで席が隣だったこともあり、

お互いに語学研修に参加した理由を話したがその理由がなかなかの衝撃だったので

今でもはっきりと覚えている。

 

会話はカズマが僕に質問したところから始まった。

 

「どうしてこの研修に参加しようと思ったんですか?」

 

「最近ニュースでグローバル化という言葉をよく聞くようになって、
企業も将来を見越して英語の出来る人材を積極的に採用していくみたいだから、
大学在学中に少しでもスキルアップできたらと思って。
あと、エントリーシートにも書けるからかな。」
「同じ質問になるけど、どうして参加しようと思ったんですか?」

 

「海外を思いっきり満喫したいというのが一番の理由かな。
日中は観光、夜は街に繰り出していろんな人とお酒を飲めたら楽しそうだなって。
もちろん勉強も頑張るつもりだけど息抜きが必要だから。
よかったら向こうで一緒に飲みに行きましょうよ。」

 

「うん・・・」

 

「約束ですよ。打ち合わせが終わったら連絡先を教えてもらっていいですか?」

 

思いっきり方向性の違いを感じ戸惑ったが

現地では数少ないコミュニケーションが取れる相手なので、

困った時の事を考え連絡先を教えた。

この時私がカズマに対して抱いた第一印象は遊び人で羽目を外すのではないか

という不安な気持ちだった。

 

語学研修の参加希望者は私を含め計8人だったが、同じ学部の人はカズマだけだった。

週に何度かは同じ講義を受けることもあり、

準備などで不安なことがあるとお互いに声をかけるようになっていた。

そして迎えた出発当日、楽しみな気持ちではなく、不安な気持ちが自分自身を渦巻いていた。

万が一のことがあってはいけないと空港の待ち合わせ場所にだいぶ早く着いたが、

そこには笑顔にあふれたカズマが一人立っていた。

話を聞くと昨日の夜は楽しみのあまり寝れなかったらしい。

カナダまでは長時間のフライトだったので映画を見たり、

音楽を聴くなどリラックスした時間を過ごせた。

まもなく到着するというアナウンスが流れたので、窓から外を眺めると目に飛び込んできたのは

幾重にも連なる山々の壮大な景色だった。

その景色を見てこれから1ヶ月間の新たなる挑戦が始まるという覚悟が

自分自身の中で湧いてきた。

その時カズマの方を見ると、何かの映画を見て感動している様子だった。

気になったので画面を覗くとディズニーのアニメーション映画を見ていた。

 

空港に着くと、名前の書かれた大きめの画用紙を持った人が大勢並んでいた。

今回の語学研修で1ヶ月間お世話になるホストファミリーだった。

私を迎えに来てくれていたのは40~50代の一人の女性で、名前はナンシーだった。

会った途端急にハグをされたので文化の違いに戸惑いながらも

明るく笑顔で話しかけてくれたので、緊張が少し和らいだ。

研修はカルガリー大学で行われるが、講義は明日からスタートだったので、

ナンシーの車で自宅に向かった。

ナンシー宅は立派な一軒家で家に入ると一人の男性がテレビを見てくつろいでいた。

その男性は年齢がおそらく30代で名前はジェームズ、ナンシーの旦那さんだった。

2人が並んでいるところを見ると少し年が離れているなという印象を受けた。

その日の夜、ご飯を食べながらお互いの事を話し合ったが、

一番驚いたのはジェームズが私の研修先のカルガリー大学で働いているということだった。

次の日は朝が早かったこともありその日は早めに寝ようとしたが、

慣れない環境に突然放り出された感覚で寝るのに時間がかかった。

これから1ヶ月間は毎朝ジェームズと一緒に大学に行くことになった。

大学へはバスの乗り継ぎがあり、右も左も分からない私にとってはラッキーだった。

大学に着くとそこには世界各国から英語を学びに来ている大勢の人がいた。

日本での事前の打ち合わせで聞いてはいたが、

カルガリー大学は年に数回こういった形で世界中から学生を受け入れていた。

授業は1クラス約10人の少人数で会話、読み、書き当然全てが英語で行われた。

自分自身の伝えたいことが伝わらないもどかしさと日々闘いながら

授業をなんとかこなしていたが、そんな時に心の支えとなっていたのが

カズマと休日に遊びに行くことだった。

カズマと初めて遊びに行った場所は観光客もよく訪れる日本で言う商店街のような場所だった。

ナンシーに友達とその場所に行くことを伝えると一つのアドバイスをもらった。

どうやらそこでは最近観光客を狙ったスリがおきているらしく十分注意するように

ということだった。

カズマとは駅で待ち合わせをして目的の場所に向かうと、

そこは道路を挟んで多くの飲食店やお土産屋さんが並び、

多くの観光客が行き来していた。

気になったお店に入ってはお土産を買い、昼食では外国らしい特大のステーキを食べた。

もう数日はステーキは食べなくていいかなというほどお腹いっぱいで店を後にし、

次はどこに行こうかと立ち止まって話をしていた時、

財布を入れていたろのポケットに何かが触れた気がした。

その瞬間ナンシーのアドバイスが頭をよぎり、スリにあっていることに気付いた。

取られまいと勢いよく振り返るとそこには想像を超えた光景が目に飛び込んできた。

 

 

 

 

ポケットを触っていたのは野生の鹿だった。

鹿と数センチの距離で目が合うというあまりにも意外な展開に一瞬頭が真っ白になったが、

本能的に危険を感じとりあえず走って距離を取った。

びっくりしたねとカズマに声をかけようとしたが、近くにカズマの姿が見当たらない。

振り返ると鹿と鉢合わせになった場所で倒れこんでいた。

幸い鹿は少し離れた場所に移動していたので、急いでカズマの元に向かった。

声をかけると、どうやら走り出す瞬間に足をひねってしまったらしい。

このまま観光を続けるのは難しいと思いこの日は帰った。

この日以降カズマと一緒にいるとウソのようなサプライズが色々と起こり始めた。

 

エピソード①

研修のお昼休みに食堂でご飯を食べていた時のこと。

向かい合って話をしていたが、ある時からカズマの視線が私ではなく

明らかに私の右後ろの方を見るようになっていた。

始めのうちは気にしていなかったが、その回数があまりに多いので気になって振り返ってみたが

特に変わった様子はなく、多くの学生が昼食を食べていた。

「どうしてそっちの方向ばっか見てるの」とカズマに聞くと、

「さっきから右後ろの方向に座っている美人とよく目が合うからもしかしたらと思って」

その女性は確かに目鼻立ちが整っていて、周りの人と比べてもひときわ存在感のある

ヨーロッパ系の美人だった。

「何かの勘違いじゃないか」と言ったが、

「いや、俺にも春が来たかもしれない」と聞く耳を立てなかった。

それ以降、カズマのちょっとカッコつける仕草が気になったが

本人が嬉しそうなのでそっとしておいた。

しばらくすると、「あっ、あの子がこっちに歩いてきた!」とカズマが言った。

緊張と期待が入り混じった雰囲気でカズマは待ち構えていた。

その子が僕の横を通り過ぎ、テーブルの前に立ち止まったが、その場所はカズマの横ではなく、

カズマの後ろのテーブルだった。

そこには4人の女性が座っていて、その子の知り合いだった。

その子がカズマではなく後ろの女性たちを見ていたんだと気付き、

「勘違いだったね・・・」と声をかけると、

「まあそんなことなんじゃないかと思ってたんだよね。まだ春が来るには気温が寒いもんね」

と、笑顔で返した。

気持ちの切り替えが早すぎないかと思ったが、

ある意味カズマの素直な一面を垣間見ることができた気がした。

 

エピソード②

カナダで有名な大氷原を見に行ったときのこと。

氷河を雪上車で観光する順番待ちをしていた時に気温が氷点下だったこともあり、

カズマが売店に温かい飲み物を買いに行った。

しばらくして温かいトマトスープを手にうれしそうに帰ってきた。

「いいだろう」私に見せつけながらスープを一口飲んだ時、急にむせ、

口の外にトマトスープが飛び出た。

何事かと思い心配すると、「めちゃくちゃ辛い・・・」とつぶやいた。

氷河の観光が終わり、帰りにその売店のメニューを見るとトマトスープの表記の横に

「HOT 1~5」と書いてあった。

これを見た時もしやと思い、カズマに「HOT 5を頼んだ?」と聞くと、

「そうだよ。熱々のスープを飲みたかったから。」と答えた。

「HOTは熱さじゃなくて辛さの方だよ」と伝えると、恥ずかしそうな表情を見せ、

「ナイスドッキリだったね。」と返した。

カズマと一緒にいると何かが起きる。その期待が研修そのものを楽しくさせていた。

休日にカズマと観光に行くことを励みに研修も終盤に差し掛かっていたある日、

いつものように大学での授業を終え、家に帰ると普段とは違う妙な静けさを感じた。

今日はジェームズの仕事が休みだったので、てっきり家にいると思ったが、その姿は見えない。

おそらく外出中なのだろう。

キッチンではいつものようにナンシーが夕食を作っていたが、その表情は冴えない。

「ジェームズが部屋に手紙を置いてるわよ。」ナンシーがふいに言った。

何の手紙だろうと考えながら自分の部屋に行くと、机の上に手紙が置いてあった。

その手紙には以下のようなことが書かれていた。

 

「親愛なるトモヤへ

君がこの手紙を読む時私はもうこの家にはいないだろう。

実はトモヤに始めて会ったときから隠し続けていたことがあります。

私はナンシーの夫ではなく、イギリスから英語を学びに来た一人の研修生だということです。

トモヤが来る2週間前からカルガリー大学の別館で授業を受けていました。

ナンシーにも協力してもらい、いつかは嘘がばれるだろうと思い軽い気持ちで夫婦を演じていました。

しかし、トモヤが私たちを夫婦として優しく接する姿を見ていると、こちらから打ち明けるのが心苦しくなり、

日にちだけが過ぎて行きました。

最終的にこのような形で伝えることになったことを本当に申し訳なく思っています。

ごめんなさい。 ジェームズより」

 

すぐにナンシーの元に行き、真意を確かめると全てが真実だった。

ナンシーは数年前に離婚をしていて今は独身だった。

手紙を読み終えた時当然驚いたが、2人を最初に見た時の違和感や日常生活でたまに見かけた

会話のちぐはぐな感じはこの事だったのかと納得する部分もあった。

 

そういった懐かしい思い出を振り返っていると、

会話が弾みお互いお酒を飲むペースも上がってきた。

いい感じに酔いが回ってきたカズマがふいに一枚の写真を見せてきた。

そこに映っていたのはカズマを含めスーツ姿の男女が6人で

楽しそうにお酒を飲んでいる写真だった。

 

この子覚えてる?すごい美人じゃない?」カズマが一人の女性を指差しながら言った。

「この人たちカズマと同じ会社の人でしょ。誰ひとり知らないよ。」そう言うと、

「いや、この子とその横の子は取引先で普段お世話になっている人で、

仕事の付き合いでたまに飲みにいったりしてるんだけどこれはその時の写真、楽しそうでしょ。」

「楽しそうだけどこの子見た記憶ないな。」

「そうかー、そしたらこの写真覚えてる?続けざまにカズマが1枚の写真を見せてきた。

 

 

 

 

「これは語学研修の休日に川でラフティングをした時の写真だよね。」

「そう、その時一緒のグループで日本から観光に来ていた女子大生のグループ覚えてない?」

「あーそういえばいたね。その時意気投合して後日一緒に飲みに行ったよね。」

「そうそう。その時飲みに行った内の一人がこの子。

「本当に?すごい偶然だね。というかよくその子のこと覚えてたね。

当時完全にロックオンしてたからね、結局何もなかったけど。
人の顔を覚えることだけは営業に向いてるかも。」

「まさかと思うけど、今その子と付き合ってたりしないよね。」

「それはお前の想像に任せるわ。」

この返事を聞いて、付き合っていないということが分かったが、

遠まわしに答える感じにどこか懐かしさを感じた。

外は連日猛暑日が続いているが、カズマには少しでも早く春が来てほしい

陰ながら応援している自分がいた。

 

 


編集長

私だけでしょうか?
カズマの「まさか」なエピソードを読みながらピース綾部が思い浮かんだ。
私だけ?
不覚にも「カズマ、、ちょっと会ってみたいかも…」と思ってしまった。
私だけ?
ピース綾部の向こう側に、チラホラと前編集長ポッキーが思い浮かんだ。
(←レベストではある意味1番「持っている」男だと思う。大きな仕事が舞い込むたび、彼の身に異変が…w)
私だけ…?

今日はだいたひかる風に始めてみましたww
(平成生まれの若者は知らないのかなぁ^^;)
さて、なんと2週間もかけてコツコツと、今回も見事な大作を書き上げてくれたB.I氏。Special Thanks!!お疲れ様です!
スリの伏線をトナカイで回収。お見事でしたねww
早くも次回作が楽しみです♪

カズマの破茶滅茶な言動に注目しがちですが、、、私だけでしょうか?
B.I氏の冷静な突っ込みに静かに口角が上がってしまうのは。(←しつこいだいたひかる推し)

 

 

投稿者プロフィール

B・I
B・I

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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。レベスト男性社員で一番の若手です!数々の資格保持者。

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    • 高橋み(年中真冬)
    • 2018年 8月 01日

    「完全にロックオンしてたからね」
    「カズマ、そんな装備で大丈夫か?」
    「大丈夫だ問題ない」

    なかなか読み応えがありました
    ナンシーとジェームスの謎なサプライズも最高ですw
    それに
    野生の鹿の窃盗団なら日本の奈良にも数多くのグループが。。。
    そこは奈良判定(天然記念物ルール)でセーフです、奈良カッターです
    カズマさん
    素敵なお友達ですねwww
    早く春が来ると良いですねぇ、応援したくなります
    で、そんなB.Iさんには猛暑の真夏に、春は来ているのかしら?

    • ポッキー
    • 2018年 8月 01日

    おもしろかった!
    カズマ、いい空気を纏ってますね~
    鹿との遭遇と倒れこむカズマ。
    スリルもあって絶品でした。

    高橋みさんのナカムラ氏と、BIさんのカズマ氏。
    ナイスキャラがチョイチョイ出てきますねw

    • FUKURYU
    • 2018年 8月 06日

    僕もCanada、3ヶ月行ったど~。
    発音はキャ~ナダ、って言ってたw
    僕は世界一住みやすい街、バンクーバーへ行ったけど
    BIは雰囲気的にトロントかな?

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