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広島人生の旅
2016年12月12日 高橋正裕(TAKA)
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今回も旅行日記です。WEB上に家族の思い出を残しておくのは意外と便利だなと前回で味をしめました。全くの私心からです。長々と思い出を綴りますが悪しからず。
うちの子供の通う小学校には名物先生がいらっしゃいます。教師としての出世を良しとせず、いつまでも現場で子供にふれ合う事を信条となさっている先生です。私自身もとても尊敬の念を抱くお方です。
その先生が子供達に絵手紙を教えて下さいます。その先生の受け持ちとなった生徒達の成長は著しく、授業参観などで目にする作品は絵心のない私が見ても心を打つほどの感受性があります。やはり子供達は生まれながらの芸術家なのだと感じますし、良い指導によって全ての生徒達がこうやって才能を開花させていくのだということが、何かとても偉大な事のように思えてきます。『聖職』とはこのことですね。
先生は普段から生徒達の作品をあちこちのコンクールに応募し、子供達は色んな賞や景品を受賞しています。その中でうちの子もその栄光に与る機会がありました。筆で有名な広島の熊野町が主催する「ちょっと大きな絵てがみ大賞」。熊野筆は海外からの評価も高く、伝統工芸が素晴らしい商業的な成功を収めたケースで今や国内筆生産の8割を占めるそうです。
是非とも授賞式に行きたい!と言う子供の願いから広島旅行に行くことになりました。本当は家族全員で行きたいのですが旅費もそれなりの額になってしまうので2人旅です。同じ学校から何人も受賞者がいたのですが、奈良からわざわざ広島まで出向いたのは我が家を含めて3家族。行く親も物好きなのでしょうが、女の子が父親と旅行に行くのも小学校までと言います。この上なく娘を愛する私にとっては実に切実、貴重な人生の1ページとなったのです。
娘と2人で早速旅行の計画を立てました。観光ガイドのサイトを元にあれこれ調べました。行きたいところは宮島と平和記念公園、やりたいことは伝統工芸の体験、食べたいものは名物の「牡蠣・穴子」、そして広島と言えば「お好み焼き」です。予算的にも前者は一回しか食べられませんが、お好み焼きはほぼ毎食になる予感。
早朝の広島駅に到着すると、構内は広島カープで真っ赤か!なんでもその日は広島カープの優勝パレードがあるらしく、駅はラッシュ時並みの大混雑です。そう言えば新幹線から見えたマツダスタジアムも真っ赤かでした。我々親子は喧噪の市内を後に、一路宮島へ。私も宮島は初めてなので期待に胸が膨らみます。
娘は宮島に着くとメインの厳島神社はそっちのけで早速牡蠣にありつきます。牡蠣定食は美味しそうなのですがなんせ高い。食べるのは屋台の串焼き400円です。串には牡蠣が4個も付いています。色々な味付けを試すうちに2人で4本も食べてしまいました。
私は近くにあった酒屋さんで地酒の100円試飲コーナーを見つけ、牡蠣をアテにいきなりの極楽気分を味わいました。我ながら上々の滑り出しではないですか。
お昼は穴子丼です。観光客向けでない地場のお店を見つけました。やはり安くて美味しい。こういった観光旅行ではジモティ向けの店舗に入るのが一番良いと思います。
さて、昼からは日本の伝統工芸に指定されている『宮島彫り』の工芸体験です。なんと名人自らが教えてくれます。生徒は我ら親子2人だけ、料金はひとり1,500円・・・何という贅沢でしょうか。名人から宮島彫りの秘伝技術をあれこれ教えてもらいながら彫刻刀で小さなお盆にモミジを彫っていきます。こういうの本当に楽しいですね。私は昔から美術の時間が大好きです。彫り終わったらカラフルに色付けをして完成。奇抜な色付けは楽しいし、芸術性も上がるのに、それを商品として卸そうとしたらデパートのバイヤーから『紅葉はこんな色じゃない!』と一蹴されるそうです。ふむむ、名人も楽じゃありませんね。
次はいよいよ神社・・・ではなく、ちょっと運動しないとね、と言うことで散歩です。船からの眺めではこの厳島は山の高低差が非常に大きく、周囲の島とは異なる荘厳な印象を受けました。島の中には遊歩道コースが設定されています。娘はアスファルト道を良しとせず、勝手にどんどん山の中に分け入っていきます。そこにはなぜかちゃんと山道があるのです。これは面白い!山歩きをしながら宮島ロープウェイ駅まで辿り着きました。紅葉にはまだ少し早いのですが、ロープウェイはなんと1時間待ち!乗る気はなかったのですが、さすがは観光地です。
紅葉シーズンならさぞかし美しいであろう紅葉谷公園をぶらぶら下りてくると、着きました、厳島神社。初見です。おおおお、良いですね、この眺め。長男が教えてくれた名物の『もみじまんじゅう揚げ』を食べてから神社に突入です。写真で見たとおり、本当に海の中に建てられています。微妙な潮の満ち引きを計算して建てたのでしょうが、すごいですね。そして有名な大鳥居。基礎の上に載っているだけ、固定されてないらしい。それでいて台風が来ても倒れない。昔の職人さんは偉大です。
ふう、宮島満喫、楽しかった・・・。JRで市内に戻り、安宿に投宿です。観光シーズンなのかネットで調べた時にはホテルはどこも一杯で、インフレホテルか外国人旅行者向けのドミトリーしか空いていませんでした。それもいいかなと思いましたが、あるんです、こういう時の奥の手が。楽天トラベルには出ていない、電話でしか予約できない昭和風味の旅館。どの都市にも数軒はあるのです。しかもここは広島駅から歩いて5分ほどで宿代も格安。いいですね~今回の旅は。
宿屋のおばちゃんにお薦めのお好み焼き屋を聞いていざ出陣!お店の名前は『よっちゃん』・・・?宿の近くには『みっちゃん』という広島では有名な老舗店があるのですが、そこではなく、『よっちゃん』らしい。頼むのは地元民が食べる『肉玉そば』です。観光客は牡蠣やらが入った高級お好みを食べるが地元民は食べないと広島の観光ガイドにも書いてあります。旅行に来たらやはり地元の方が食べるものが一番です。私はここぞとばかりにお店にあった地酒の賀茂鶴を注文し、すっかり良い気分です。家でお好み焼きをする時はソースとマヨネーズをたらふくかけるのですが、広島のお好み焼きはソースが少なめです。そして量が半端ない!娘は半分ほどでお腹いっぱいです。私は気付きました。ソースが少なめだと非常にあっさりしていて飽きることがなく、沢山食べられる。娘のお好み焼きはいつも通り色々かけ過ぎているので濃い味に参ってしまったのです。
二日目。メインの表彰式は昼からなので午前中は平和記念公園です。駅のガイドマップにも広島に来たらここは『マスト』とあります。資料館に入ると・・・原爆恐るべし・・・これは鬼畜の兵器です。そんな兵器を持つ国があちこちにある。今度世界大戦があれば敗戦濃厚となったどこかの国は必ず使うでしょう。だから逆に戦争の抑止力にもなってると説明がありました。アメリカとソ連はその恐ろしさを知っててギリギリまで戦争を回避したらしいのですが、ともかく三度目の世界大戦が始まらなくてラッキーでした。
お昼は原爆ドーム近くの有名なお好み焼き店に入りました。有名店だけあってもの凄いお客さんの数です。さて、昨夜の『よっちゃん』とどちらが美味しいのか楽しみです。その判定は・・・親子とも『よっちゃん』に軍配を上げました!やはり地元の方の舌は正しい!
さて、いよいよメインの表彰式。熊野町にある『筆の里工房』です。建物の中にはエントリー作品がズラリと並んでいます。私は生まれて初めて本格的な絵手紙の世界を垣間見ました。すごい!本当に感動・絶句するほどの作品群です。この会場の来場者はありがとう大賞を選ぶ投票に参加できます。大賞候補は10点ほどありましたが、私も最も魂を揺さぶられ、その場に釘付けになってしまった一作品に投票しました。HPにも掲載されている大分県にお住まいの62歳女性の方の作品です。
娘の表彰式も無事終わり、我々は親子の淡い思い出を胸に広島を後にしました。『筆の里工房』はこの後2年間の改修工事に入るため、5年生の娘にとっては最後のタイミングでした。
考えてみれば、これも二年前に娘が受け持っていただいた素晴らしい先生との縁が始まりでした。ああ、この縁を生かせた、ありがたい。担任の先生にありがとう、娘にありがとう、お金を出してくれた家族にありがとう、そして良き思い出をくれた広島の皆さんにありがとう。後日、見事大賞に輝いたこの絵手紙のように、この世には感謝しかないのだ。困難を乗り越えよう、今の瞬間を楽しもう、絶えず学んで成長しよう、日々の修養を心掛けつつ・・・
旅行に行く前にしっかり予算を組んで計画を立ててるのがすごい。私などは行き当たりばったり、食べたい物を食べ、飲みたいものを飲む。たっぷり消費して地元経済に貢献していますよ。
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コメント
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表彰おめでとうございます。
すてきな思い出になりますね。
芸術に触れ、自然に触れ、
そして、
噂に聞く「肉玉そば」に賀茂鶴ですか、
広島最強ですね。