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103万円と130万円の壁
2016年10月28日 tanitaka8
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皆さん、103万円の壁と130万円の壁って知っておられますでしょうか?
最近は、トピックな話題として、Yahooニュースやグノシーでも取り上げられていました。マスコミ報道が先行してしまい、あやふやな理解や誤解が多いので、出来るだけ平易に解説してみますので、参考にして頂けたらと思います。
103万円の壁
「税金の壁」と呼ばれており、共働き世帯において妻のパート収入が103万円を超えると、夫の税金の計算における配偶者控除がなくなることをいいます。夫の配偶者控除がなくなると、夫の税金負担が増加してしまい、たとえ妻のパート収入が増えても、夫と妻の合算収入から税金負担をマイナスした、手取りの収入が結果として減ってしまうことをいいます。そのため、妻のパート収入が103万円を超えないように、パートの仕事量を減らすという行動がおこり、女性の社会進出を阻害してしまうことが問題視されています。来年度の税制改正において配偶者控除を廃止して、新たな控除制度を構築する議論がありましたが、先日見送りとなりました。
妻のパート収入が増加しても夫の税金負担が増えて、実質収入が減るのであれば、妻がパートの仕事量を調整することに意味があるでしょう。しかし、一般的に上述のように考えられている103万円の壁の意味合いには大きな誤解があります。たしかに妻のパート収入が103万円を超えると夫に「配偶者控除」は適用されなくなるのですが、それに代って「配偶者特別控除」が適用されるのです。
両者を合算したのが、次の表です。
妻のパート収入 | 夫の配偶者控除又は配偶者特別控除 |
1,030,000円以下 | 380,000円(配偶者控除) |
1,030,001円~1,049,999円 | 380,000円(配偶者特別控除) |
1,050,001円~1,099,999円 | 360,000円(配偶者特別控除) |
1,100,001円~1,149,999円 | 310,000円(配偶者特別控除) |
1,150,000円~1,199,999円 | 260,000円(配偶者特別控除) |
1,200,001円~1,249,999円 | 210,000円(配偶者特別控除) |
1,250,001円~1,299,999円 | 160,000円(配偶者特別控除) |
1,300,001円~1,349,999円 | 110,000円(配偶者特別控除) |
1,350,001円~1,399,999円 | 60,000円(配偶者特別控除) |
1,400,001円~1,409,999円 | 30,000円(配偶者特別控除) |
1,4100,001円以上 | 0円 |
上の表から、妻のパート収入が1,030,001円以上になると、確かに配偶者控除は適用がなくなりますが、その代わりに配偶者特別控除が380,000円適用されることがわかります。つまり103万円を超えても1,049,999円までは、夫の控除額は380,000円で同額です。以降、妻のパート収入が増加するごとに段階的に夫の控除が減少していくことが、読み取れます。
妻のパート収入が103万円を超えたとたんに、夫の税金計算における控除が0円になるのではなく、段階的に減少していくのです。
したがって妻の103万円を超えても実質収入額には、さほど大きな影響がないので、103万円を超えないようにしゃかりきになるのは、ナンセンスと言わざるを得ないでしょう
130万円の壁
「社会保険の壁」と言われ、妻のパート収入が130万円未満であれば、夫の扶養家族として、保険料の負担をせずに健康保険や国民年金に加入できるが、130万円を超えると妻自身が保険料を負担して健康保険や厚生年金に加入しなければならなくなることを意味します。
例えば仮に月給が11万円で年収が11万円×12ヶ月=132万円で計算すると、月々16,407円の保険料を負担しなければなりません。年間だと196,884円の負担増となり、大きく収入減となってしまいます。
また、この社会保険料の負担は、130万円を超えたとたんに一気にドーンとかかります。つまり年間収入が129万円だと社会保険料負担は0円ですが、130万円を超えたとたんに年間約20万円の社会保険料を負担しなければならず、注意が必要です。前述の103万円の壁においては、控除額は段階的に減少するので意識するのはナンセンスと述べましたが、この130万円の壁は一気に負担が増えるので大いに意識する必要があるでしょう。なお、今月(平成28年10月)から制度が改正され、従業員501人以上の企業に勤務している場合は社会保険料を負担しなければならない年間収入が106万円に引き下げられているので注意が必要です。
先日レベストでも年末調整の用紙が配られました。私、住宅取得控除の申告書が税務署から届いてないんですけど・・・。
投稿者プロフィール
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レベスト経理の味方「tanitaka8」。編集長の大学の先輩であり、ポッキーを顎で使う達人。車好き。
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コメント
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女性の社会進出の阻害になっているかどうかにおいて
配偶者控除の要否判断は難しいところだなと思います。
ええ、私には配偶者は居ませんが。。。
制度があるからこそ手軽な仕事に就ける面もあると思いますし
大きな仕事に就く機会を手放す理由になっている面もあるかもとも思います。
控除がなくなっちゃうと前者に利点の感じる人には
難しくなるかもしれませんね。
税金って余程お稼ぎで無ければ
そんなに大きな負担にならないんですよね。
実質大きくのしかかるのが社会保障関係で
無いと困る制度でとっても有難いものなんですが
もうちょっと軽めにして頂けるとうれしい限りです。
130万を超えると大変ですね。
働いたら損をするかもしれないので、
きちんとした知識が必要ですね。
税金もう少し安くなるといいのですが。。。