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不動産の二面性
2020年8月3日 B.I
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最近、あるニュースを聞いた途端、自然と心が震えた。
それはまさに時代の転換点を迎えた瞬間だった。
「藤井新棋聖誕生!」
「30年ぶりに最年少タイトル獲得!」
将棋の世界を見届けてきた一人のファンとして、タイトルを一つ取ることの難しさを目の当たりにしてきた。
公式戦の連勝記録を更新したときもそうだったが、将棋の話題がこれほどまでにトップニュースで報じられることがあっただろうか?
今回の棋聖戦、現役最強でその強さから魔王とも呼ばれる相手に勝ったことはもちろん驚きだが、そもそも挑戦者としての権利を得るまでの道のりがどれほど険しいことか。
将棋の世界は勝てば勝つほど対局数が増え、トップ棋士との厳しい戦いも当然増えてくる。
若手有望株と言われ将来を期待された何人の棋士がその壁に阻まれただろう。
当時17歳だった藤井棋聖も私の知る限り数回は跳ね返されたが、その敗戦をバネにあっという間にその壁を乗り越えた気がする。
新しい歴史を作ったのも束の間、次の偉業に向けカウントダウンは始まっている。
王位戦七番勝負に挑戦者として挑んでおり、二戦二勝と幸先の良いスタートを切っている。
最年少でのタイトル獲得という熱が冷めやらない中、二冠が射程圏内に入っているといっても過言ではない。
そんな藤井棋聖がタイトルを獲得した翌日の会見で色紙にある言葉をしたためていた。
「探求」
その心は、将棋は本当に難しいゲームで、まだまだ分からないことばかり。
これからも探求心を持って上に向かっていきたい、とのことだ。
この立場になっても分からないことがまだまだあると聞くと、将棋はどれだけ奥の深いゲームなんだと思ってしまうが、一手一手に正解がない中で自分が考えた最善の手を指し続け、そして相手に勝つというのが何よりの魅力だと個人的には思う。
さて、会見で「探求」という文字を見たときに何か自分に問いかけられているような気がしたのは私だけだろうか。
今、自分自身が探求していることは何だろう。
すぐにこれというものが思いつかない・・・
探求しているものがないというのはどうかと思うが、強いて言うなら将来どんなマイホームを持つべきなのかについては常に頭の片隅で考えているような気がする。
職場は変われど、社会人1年目からこれまで不動産と共に人生を歩んできたことが間違いなく影響している。
いや、もしかしたら親が転勤族で幼少期から引っ越しを繰り返し、アパート・社宅・戸建という住まいを経験したこと、まさに人生を通じて自分自身の中で育まれてきた考えかもしれない。
仕事を通じて不動産の知識を少しずつ習得し、自分の将来にどうにかして役立てれないかということを考え始めたのが確か社会人2年目だったが、その当時のあるエピソードが今でも色濃く残っている。
「宅建の勉強頑張ってるか?」
頻繁に色んな先輩から同じようなことを聞くようになった。
これも仕事の一つだよ、と教えられ軽いプレッシャーを感じた私は、この呪縛から逃れようと試験直前の総まとめと模擬試験を受けにとある学校に通うことにした。
そこで出会ったのがA君だった。
A君は同い年で違うハウスメーカーに就職をしていたが、同じ住宅営業で宅建の取得を今年最大の目標と上司に言われていた。
週1回顔を合わせる中で、お互い仕事の話をすることが増えていった。
きっかけは、A君が最近接客したお客様とのあるエピソードを打ち明けたことだった。
「この前アポイントを取って、30代の夫婦と小学校入学前の子供が一人の3人家族と初めて打ち合わせをしたんだけど、最初だから色々要望を聞くじゃん?」
「もちろん。」
「そしたら、びっくりするくらいあれがいい、これがいいって要望が出てきたからこっちも笑顔でそれいいですねって表向きには言うけど、内心苦笑い。」
「夢を売る仕事だから叶えたいのは山々だけど、最初にハードルを上げられるのは確かにつらいね。」
「案の定、それで資金計画を作ってみると、だいぶ予算オーバー。先週の打ち合わせでその資金計画書を見てもらったんだけど、あの一瞬凍り付いたような顔を見るのがつらかったわ。」
「でも、正直なところほとんどが予算オーバーからスタートして、現実を見た後に妥協して着地点を探るというパターンだからね。」
「住宅営業の仕事って夢を売るというよりも、最善の妥協点を見つけることだって仕事に携わって気づかされたわ。他社の話って普段聞かないけど、正直なところ接客上手くいってる?」
「最近はガチガチの競合案件が多くて、ほぼ毎日上司や設計の人と打ち合わせをしてるけど、出来る限り費用を抑えながらも要望を詰め込みたい営業と、限られた土地の中で制約を受けながらプランを作成する設計との間でヒートアップすることが多くて、社内にいても色々と気を遣う状況が続いていて大変の一言。」
「どこの会社も数字を揃えるのに一人のお客さんを奪い合ってるわけだから厳しい世界だよね。」
「話は変わるけど、こういう仕事をしていると、いざ自分が家を建てるときにどんな家がいいかって考えたことない?」
「まだ先の話だからそこまで深く考えたことはないけど、仕事柄色々な建物を見る中でこの外観良いなとか、こういう間取りの取り方があるのかとか、直感的に思うことはあるかも。」
「最近、現時点で理想の間取りを書いてみたら、その建物を建てるのに結構な土地の広さが必要だと分かって、ちょっとショックだったわ。」
「そもそもマンションではなく、注文住宅がいいの?」
「こういう仕事してるからそういうことでしょ。」
「一応俺は選択肢に残しとくから。」
「まあいいけど」
「予算はあるということを前提に、問題は何を一番重要視するかだけど、どう?」
「まず考えるのは立地かな。駅からの距離とか、近くにどんなお店があるかとか。」
「不動産は資産だからね。今後引き継いでいくこととかを考えたら価値がなるべく落ちないところで検討したいな。」
「そういう点でいうと、駅近のタワマン最強説あるけど。」
「確かに、利便性が良ければ一定の需要はあるからね。っていうか、タワマンの話はここまで!戸建ての話がしたいんだけど!」
「でも、最近本当に自然災害多いよね。」
「確かに、大雨とか暴風って戸建はもろに影響受けるから心配と言えば心配。」
「それに比べてタワマンはどう?」
「戸建に比べたら影響は少ないかな。」
「あと、セキュリティ面で考えてみると・・・」
「タワマンだね。」
「タワマンどう?」
「意外にいいかも・・・って営業か!」
「ごめん、ごめん。でも、お客さんから注文住宅とマンションの比較について聞かれることってない?」
「家を購入することを検討し始めたぐらいの人は1回は考えるところだよね。」
「聞かれたらどう答えてるの?」
「詳しくは言えないけど、社外秘のマニュアルがあって注文住宅に心が傾くようなデータを見せたりしてるよ。」
「それってランニングコストとか・・・」
「・・・スパイ活動でもしてた?」
「うちのマニュアルにはそう書いてるけどね。」
「それって他社の住宅営業に話してもいいもの?」
「いいや、社外秘。ランニングコストなんかは想像のつく話だから、詳細を話さなければ問題ないよ。話が逸れたけど、別にタワマンの方が良いって言ってるわけじゃないよ。」
「そうにしか聞こえないけど。」
「でも仕事をしていて率直に感じるのは、お客さんが一から理想のマイホームをああでもない、こうでもないって言いながら一緒に作り上げて行く時の表情ってみんな楽しそうだよね。」
「だからこそ信頼関係ってものすごく大事だし、その反面そこに携わっているプレッシャーも少なからずあるけどね。」
「やりがいよりもプレッシャーの方が圧倒的に大きいけど。」
「同感。」
不動産は私たちが生きていくのに欠かせないという現実の一面と、こだわれば切りがないという理想の一面との二面性を持ち合わせていることに改めて気付かされた瞬間だった。
不動産はその時代を映す鏡とも言えるのではないか。
それらしい記事をネットで探したが、あまり良い例がなかったので個人的な憶測での話になってしまうが、今回のコロナ騒動でテレワークが加速度的に普及した。
これまで家で仕事をする習慣のなかった人もせざる負えない状況になり、家のどこで仕事をするのか悩んだ人も多いことだろう。
では、今後家を借りたり、購入したりする人が考えることとして、仕事をするためのスペースをどう確保するかによって間取りが変わってきたり、もっと大きな変化としては企業のテレワークの推進度合いによっては住む場所を変えたりということにも繋がるかもしれない。
さらに、今までテレワークに後ろ向きだった企業も導入してみたら思ったより仕事ができることが分かった、という声が意外と多かった。
それにより検討され始めたのがオフィス面積の縮小だ。
出社率を制限することで、固定費の代表格ともいえる家賃の削減にもメスが入っている。
消費マインドの低下による不動産の買い控えは経済に多大な影響を与える。
どの不動産を、いつ、どこで、借りるのか購入するのかについては、自分自身の中で現実と理想をつねに天秤にかけ、冷静にその妥協点を「探求」したいと思う。
将棋ってめっちゃ頭つかうんやんな(・_・ )
タコは将棋のルールは全然知らんから、将棋崩しぐらいしかしたことないんやけど(;^_^A
いまの盤の状況だけで次の一手を指すんやなくて、先の先の先まで考えて指すとか聞いたことある( ̄。 ̄)そんな先の手まで考えて指すんやから長考にもなるわ(◎ω◎)
めっちゃ脳みそが鍛えられてそう(´V`)
“通天閣高い~高いは煙突~”とかの連想ゲームとかも得意なんやろか(*′艸`)?
マイホームは一生にそう何回もない大きい買い物やから、そらぁ拘りたくなるわな(´・ω・)
そういや、タコもちっちゃい頃はよくチラシの裏に間取り書いて遊んでたわ(´д`)間取りとかは勿論なぁ~んにも覚えてないけど、”ここにはテレビを置いて~ここはタコの部屋で~”って考えるんが楽しかったと思う(o^-^o)・・・覚えてないけど(>ш<)
投稿者プロフィール
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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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