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神様に遭遇した話。
2020年3月13日 ポッキー
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2019年某日、私たちは神に遭遇した。
真っ白な口ひげを胸のあたりまで伸ばし、杖を持っている。
そんなまさしく神の如き、神々しき者に遭遇した。
その日の出来事を、妻であるぐっちゃんは時々口にする。
私もその場に居たらしい。
「らしい。」というのには理由があって、
私にはその記憶がない。
ぐっちゃんに言わせると、確かに私もその場に居て
神に対してひれ伏し、お礼を述べていたそうである。
しかし私にはその記憶がない。
神により記憶を抹消されたのか、健忘症なのかは定かではない。
ここ数年、記憶力が劣化していることに気づいてはいるが。
何度も言うが、私には神と遭遇した記憶がない。
ここからは、ぐっちゃんの話に基づき、神との邂逅を語ろうと思う。
それはいつもと同じ休日の出来事。
私は妻と息子のカールを連れて近所のスーパーマーケットを訪れていた。
スーパーマーケットは改装オープンした初日で、かなりの来客があった。
後に登場する神も、その中の一人である。
野菜コーナーから生鮮食品、インスタント食品を経て缶詰コーナーへ。
余談であるが、私は缶詰が好きである。
特にお気に入りの缶詰は、
ホテイフーズのつぼ焼き風味
http://www.hoteifoods.co.jp/products/d-06/
これ、むちゃくちゃ旨い。是非皆さんも。
味も好きだが、開けるときの音、そしてワクワク感がたまらなく好き。
自宅で握ったお握りと、缶詰を携えて出かけるピクニックが好き。
外で食べる缶詰は、この世のものではない味に仕上がる。
この世のものではない=神である
今日の話、そんなオチではないので安心するように。
時を戻そう。(←使いたいだけ)
缶詰コーナーを経て、パン屋さんへ。
パン屋さんの横にはイートインスペースが併設されていて
買ったパンをその場で食べることも可能な仕組みになっていた。
ぐっちゃんは気づいていたそうである。
イートインスペースからこちらを見つめる瞳に。
レジでお会計を済ませ、サッカー台へ。
サッカー台(サッカーだい)は、おもにスーパーマーケットなどで、
会計を終えた品を客が買い物袋に袋詰めするための台(カウンター)のこと。
サッカー台、知ってた?
なぜか私は知ってた。
足でボールをプレイするあのスポーツじゃないよ。
サッカー台で荷物をまとめるのは私の役目。
ぐっちゃんが会計をしている間に、持参した買い物袋に商品を詰め込む。
結婚するまではやったことがなかったが、今ではお手のものである。
商品をまとめたらあとは車に乗って帰るだけ。
普通ならそうであるが、この日は改装オープン初日ということもあり
少し店内を見て回ろうと思った。
駐車場側の窓に面した場所には広いスペースがあり、
息子のカールが走り回ることができるほどのキッズスペースが設けられていた。
妻は今もこのスーパーを毎日のように訪れ、
このキッズスペースで息子を遊ばせている。
もう一度、神に会うために。
キッズスペースはたくさんの子供たちで賑わっていた。
備え付けられた絵本を読む子供。
両親とともに玩具で遊ぶ子供。
追いかけっこをする子供たち。
その周りを囲むように母親と父親がほほえましく眺めるのは
よくあるキッズスペースの光景だろう。
お昼前にスーパーを訪れていた私たちには、その場に溶け込むことができなかった。
キッズスペースの隣には、座って一息いれられるような
テーブルと椅子のセットがいくつか設置されていて、
私たちはそこに位置を見つけ座って様子を眺めていた。
ぐっちゃんは気づいていた。
パン屋隣のイートインスペースから、私たちのとなりに
神が移動してきていたことに。
風貌は、見るからに汚い恰好。
冒頭にも書いたように、髭は胸のあたりまで伸びていて
その色は白ではなく、グレー。
着古されたジャケットと、履き潰されたスニーカー。
残念ながら杖も持っていなかった。
疲れた様子で座っていた神は、無言で我が息子カールを見つめていた。
その時である。
ベビーカーに座るカールが突然身を乗り出し、
そして満面の笑みとともに神に向かって手を差し出したのである。
目を丸くした神は、嬉しそうにカールの手を握り、
「ありがとう・・・。ありがとう・・・。」
繰り返しつぶやいた。
ぐっちゃんは「手を煩わせて申し訳ありません」と謝り、
神は「相手をしてくれてありがとう」と述べられた。そして
「ボク、いくつ?」
「ニコニコして、かわいいねぇ」
「良い家庭環境なのが見ていてわかる」
などと宣われた。
5分か10分か。
それほど多くの時間そこにいたわけではない。
ぐっちゃんは非礼を詫び、その場を去ろうとしたという。
その行動が神の逆鱗に触れたのか、大きな声が響き渡った。
「待ちなさい!」
神の声がこだまする。
神は座席から立ち上がると、おもむろにジャケットのポケットに手を入れた。
そして出てきた手には1,000円札が握られていた。
神曰く
「相手をしてくれたのは君たちの子供だけだ」
「今日はとても良い日になった」
「私に使い道はない。君がこれを使いなさい」
カールの手に1,000円を握らせ、「ありがとう」と。
ここで私が登場したらしい。
「いやいやいやいやいや!!ダメですよ!やめてください!受け取れませんて!w」
無粋なものである。
「アカンアカン、お金なんて受け取れませんよ!!w」
見知らぬ老人から突然金を渡されるほど怖いものは無い。
ものすごく引きつった笑顔で差し出されたお金を拒んだそうである。
念のためもう一度言っておくが、私にこの記憶は一切ない。
私の拒絶を見た神は、再度大きな声で叫んだ
「ええんや!!」
今度こそ神の逆鱗に触れ、恐れ慄いた私は、その場にひれ伏した。
丁寧に御礼を述べて妻・息子を連れてその場を去ったのだそう。
そして、神に聞かれない位置まで来た私はぐっちゃんに言ったらしい。
「早く逃げよう、面倒なことになるかもしれない」
私に記憶がないのはそういうことなんだろう。
神は私をお許しにならなかった。
こんな態度であることを戒めるため、神は私の記憶を消し去ったのである。
途中にも書いたとおり
それからぐっちゃんは毎日のようにこのスーパーマーケットに通い、
神との再会を目論んでいるが、ただの一度も会ったことがないらしい。
神から頂いた1,000円札は、今でも大切に保管されている。
へぇ。神さんってスーパー行くんや!めっちゃ庶民派やん(゚∇゚)
いや、“暇を持て余した神の遊びで”ちょっくら外界へ降りてきはったんやな!
きちゃない格好は、たぶん世を忍ぶ仮の姿やねんて。
きっと心がピュアピュアなぐっちゃんとカール君やから神さんを見抜けてんわ(*^-^)
あ、ポッキーは見抜かれへんかってんや・・・(´・∀・` )
ポッキーは神さんやって見抜かれへんかったけど、記憶を抹消されるだけで済んでよかったやん!だって下手したら野獣とかカエルとかにされてたかも知らんねんで!?
カール君のお父ちゃんやからオマケしてくれたんかな?カール君に助けられたな(*^m^*)
投稿者プロフィール
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レブログ初代編集長、「ポッキー」こと中川卓。各記事にコメントをつけていたが、当たり障りのないコメントを連発したため編集長の座を明け渡すことになった、かつての編集長。レベストで一番「凡」の字が似合う男(自虐)
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