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大航海への船出
2020年3月2日 B.I
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2020年も気づけば、はや2カ月が過ぎた。
今年は自分自身の中で掲げている目標がいくつかあるが、その一つにこれまで積み重ねてきた投資の知識で一花咲かせたいとひそかに思っている。
一花咲かせるというと人によって捉え方が違うが、大儲けしようというわけではなく堅実に増やすという意味合いだ。
昨年、老後2000万円問題が話題となり、多くの人が自分自身の将来について考えるきっかけとなったのではないだろうか。
実際、その時を境に積み立てNISAの申込み件数が急増したことから、貯蓄から投資へという流れが世間で徐々に浸透しているような気がする。
投資と聞くと、ハイリスク・ハイリターンで怖いものというイメージを持つ人もいるかと思うが、様々な商品ラインナップからその人に合ったものを選ぶことが可能になっている。
代表的なものを挙げると、株式投資、個人向け国債、投資信託、REIT(不動産投資信託)、仮想通貨、FXなどがあるが、右も左も分からなかった当時、まずはプロに運用してもらう投資信託からスタートすることにした。
自分で商品を選んだら毎月一定額を積み立てて購入し、あとはほったらかすだけ。
投資したお金が日々プラスになったりマイナスになったりと、プロでも運用するのが難しいんだということを感じながらただただ数字を眺めていた。
投資ってこういうものかと思いながら日々過ごしていたが、人間の欲は恐ろしく、自分でも運用してみたいという気持ちが徐々に芽生え始めた。
そのきっかけの一つとなったのが、株主優待で生活する桐谷さんがテレビに出始めたことだった。
始めは株主優待を使い切ろうとせわしなく一日を過ごす姿が面白かったので番組を見ていたが、お金を使わずに生活ができるってよく考えたらすごいことだと思い、まずは株の参考書をいくつか買うことから始めた。
株は投資の商品の中でもハイリスク・ハイリターンに分類され、株の売買で生計を立てる専業投資家がいるほど当たれば大きい夢のある世界だ。
そのルールは至ってシンプルで、買った会社の株価が上がれば利益が出て、下がれば損をするということだ。
株主優待はそのおまけみたいなもので、身近なところで一つ例を挙げるとヤマダ電機の株を100株、約58,000円で買うと、毎年割引券がもらえ、1年目は3,000円、2年目以降は継続保有することで優待内容がパワーアップする制度になっている。
株価が上がりそうな会社を見つけるために、資産のある投資会社や個人投資家の人が未来を予測し、様々な情報を分析することに日々力を注いでいる。
一口に情報といっても会社単位のものから世界情勢まで幅広く、膨大な情報のうちどれを重視したらよいのか悩ましい。
全てを検討していたら、とてもじゃないが時間が足りないし、頭が混乱しそうだ。
何かいい方法はないかな?
そういえば投資家の人たちが集まる場所を以前テレビで見たような気がする。
インターネットで検索してみると、北浜に投資情報サイトを運営している会社がプロデュースしているカフェバーがあった。
自分みたいな初心者でも浮かないかなという不安があったが、自分の周りで投資をしている人もいないし、経験のある人に話を聞いたみたいという思いから、一度行ってみることにした。
ビルの一階にひっそりと佇んでいるお店の扉を開けると、目に飛び込んできたのは見慣れたバーの光景といくつかのモニターだった。
そのモニターにはチャートと呼ばれる世界市場の為替や、ニュース等が表示されていた。
少し心が浮ついているままカウンターの席に座ると、バーのマスターに声をかけられた。
「こちらのお店は始めてですか?」
「そうです。始めて来ました感が出てました?」
「お店の雰囲気を見て頂いての通り、投資をしている常連の方がよく来られるので顔馴染みのお客様が多い中、見慣れない方だなと思いまして。」
「実は株式投資を始めようと思ってまして、自分なりに色々本は読んだんですけど、投資家の方の考えとかを実際に聞けないかなと思って来ました。」
「株式投資デビューですね。私でも多少お話し出来ると思いますけど、せっかくなのでバリバリの投資家の人と話してみますか?」
「いいんですか?」
「もちろんですよ。ここはそういう場所なので。ヒロ君、ちょっと今時間ある?」
そう言って一人の男性をカウンターの奥の席から呼んでくれた。
「紹介します。あだ名はヒロ君。よくお店に来てくれていて色んな人と株式投資の話をしてるから色々相談してみたらいいよ。」
年齢は僕より少し上だろうか。気さくな感じが伝わってくる。
「これから株式投資を始めるみたいだから色々教えてあげてよ。」
「そうなんですね。はじめまして。楽しい株式投資の世界へようこそ。今日は色んなタイプの人が来てるので、楽しく飲んで話して帰って下さい。なんかドリンク注文されました?」
「いや、まだです。」
「そしたらこれからの楽しい株式投資を記念して一杯おごるので好きなの頼んで下さい。
マスター1杯僕につけといて。」
「かしこまりました。」
「本当ですか。すいません、なんかありがとうございます。」
よく見たら高そうな時計を身に着けていたりと色んな意味で心に余裕がある人だと思った。
「始めるにあたって不安なことはありますか?」
「投資家の人がどういう基準で会社の株を選んだり、売買のタイミングを見極めてるのかについて参考になる話が聞けたらと思って今日は来ました。」
「どの会社の株を買ったらいいのかは人それぞれ違うというのが正直な答えかな。ある程度共通して言えることは業績が良くなりそうな会社を探すことだけど、それが一筋縄ではいかないのが難しいところでもあり、ある意味楽しんだけどね。去年より業績が良くなったとしても、当初の会社計画に届かないと失望売りで株価が大きく下がることも多々あるし。決算書や会社のホームページを事細かにチェックする情報マニアもいれば、定期的に街を歩いて見つける人もいたりと、その人の性格や時間の使い方に合った探し方を模索するのがスタートかもしれないね。」
「街を歩いていて分かるものですか?」
「僕も雑誌で見た情報だけど、その投資家の人は吉野家が超特盛を販売し始めたときにお店の前に行列が出来てるのを始めて見たらしく、客単価も上がるし今期は期待できそうと思って株を買ったり、ケンタッキーが500円ランチを始めてからの集客具合を見て株を買ったら、どっちも決算発表を機に株価が跳ね上がったりしたみたいだよ。」
「ほんとに人それぞれなんですね。ちなみにヒロさんって呼んでいいですか?」
「全然いいよ。」
「ヒロさんはどうやって会社を選んでるんですか?」
「僕はまず会社の四季報って知ってる?これくらいの分厚い本なんだけど、それが三カ月に一回発売される度に一通り目を通して気になる会社をピックアップすることは長年続けていて、これは多くの投資家の人がしてると思うよ。でも僕はそれ以上に株を買ったり売ったりするタイミングの方が重要だと思っていて、そこの見極めが成功するかどうかの分かれ目かな。」
「その売買するタイミングが難しいということですか?」
「まさにその通り。参考書には一定の法則みたいなことが書かれてるけど、これもあくまで確率の問題だから経験と時には運に頼るしかないね。大事なのは途中で損をしてもトータルでプラスに持って行く考えを常に意識しておかないと泥沼にはまって抜け出せなくなるから気を付けたほうがいいよ。」
「少し話を聞くだけでもワクワクする部分と怖い部分がありますね。」
「投資家である限りそれは仕方のないことだよ。人生はまだまだ先が長いし、まずはじっくり焦らず取り組んでいくなかで自分なりのルールを構築していくことが大切じゃないかな。
今後色んな投資家の人と話す機会もあるかもしれないけど、自分のやり方を押し付けてくる人には注意した方がいいよ。相手のことを知らないとその人に合ったアドバイスって本来できないからね。あ、そうそう。今日友人が来てるから紹介するね。」
そう言うと、奥のカウンターで先ほど話していた一人の男性を呼んできた。
「ここで知り合った友人のタイチ。元ラグビー部だったからガタイがいいでしょ。」
「タイチです。はじめまして。」
「これから株式投資をスタートするみたいだから先輩としてどうやったら儲けれるか教えてあげてよ。」
「そしてらとっておきの情報ね。これからは半導体関連株を底値で買う。これしかない。
あーついつい言っちゃった。」
続けて、タイチがその理由を熱心に話し始めた。
その後ろで、ヒロ君がこちらを見て笑っている。
自分の考えを押し付けるとはこういうことを言うんだよ、とでも言わんばかりに。
タイチが説明を終え、振り返りざまにヒロ君に同意を求めようとすると、
「ところでタイチって今年どれくらい儲けてたっけ?」とヒロ君が聞いた。
「マイナス20万だけど。」
「ね、さっき言ったとおりでしょ。」
「え、何の話?」
「さっき話してた時に、自分の考えを押し付けてくる人には注意した方がいいよって言ってたら、お手本のような展開にしてくれたから後ろで笑ってたわ。」
「押し付けてる気はないけどね。」
「いやいやこれしかありませんよっていう感じで饒舌だったよ。」
「あれ、ところでヒロ君は今年の成績どうだったっけ?」
「マイナス30万。」
どっちもどっちか!っていうか今まで何の話を聞かされてきたんだと思った。
「でも、お二人ともすごく楽しそうに投資の話をされますよね。」
「日々ワクワク出来ることって日常生活の中でそんなにないでしょ。感覚的にはリアルで壮大なゲームを楽しんでる感じ。ましてや自分のお金で真剣に取り組まざる負えないから儲けた日は自分へのご褒美で仕事帰りに美味しいものを買ったり、誰かと飲みに行ったり日々の生活が充実するようになったのは投資を始めて良かった点かな。今年に限っては二人共上手くいってないけど。どう、始めるにあたりワクワクしてきた?」
確かにそういう生活ができれば楽しいだろうけど、儲かっていない二人からだとどこか説得力に欠けるな。
でも、人生の中で真剣にお金に向き合うきっかけにもなるし、最悪買った株が全部紙切れになっても問題のない予算内で始めることにした。
自分自身に投資家としての才能が少しでもありますように。
なかったとしても運が巡ってきますように。
そして後日、人生で始めて楽天の株を買った。
これが大航海への船出となったが、聞くところによると最近海が荒れることが多いらしい。
海をよく知っている人でも波を読めない日々が続いている。
万が一に備えてすぐに帰還できるようにしておこう。
い~きて~~る、生きてい~る~~、、、ララララ~~~♪(続き知らん)
タコは投資とか難しいことは分からんけど、桐谷さんは知ってる!自転車立ち漕ぎする人やろ?確かに株主優待で生きている~♪のはすごいと思うけどそれを売って生活すればいいのにって思うねん。立ち漕ぎで運動になるし体力つくからいいんかな?でもご飯やさんで急いで食べるから喉詰まらせそう(^_^;)株主優待は絶対に自分で使いたい!ってそんな強い意思とかが投資にも活かされてるんかな?(知らんけど)
ほんで、B.Iさんよ特別講師2人が色々力説してはったけど、2人とも損しとるやないかーーーーいっ!いやぁ~やっぱり難しいんやな。気をつけて航海してや~(^O^)/後悔せんように。。
投稿者プロフィール
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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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