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行動経済学の考えは味方?それとも・・・
2019年6月3日 B.I
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
Episode1
「モンドセレクション金賞受賞」
そう書かれたカラフルなラベルが目に飛び込んできた。
気になったので商品棚に目を移すと、おいしそうなチーズケーキだった。
私は今百貨店でどのお土産を買おうかと右往左往している。
そんな時に目に飛び込んできたチーズケーキに心を奪われていた。
普段なら迷わず買っているところだが、何か心の奥底に引っかかるものがあった。
「セールスに惑わされないための行動経済学」
以前読んだ本の中で紹介されていたことだが、私たちは権威のあるものを信頼し、正しいと思い込んでしまう(服従してしまう)傾向があるそうだ。
モンドセレクション金賞受賞と言われると、他とは違う、良いものであるように思えてしまう、そういった心情に働きかけようとしているようだ。
「いらっしゃいませ。モンドセレクション金賞受賞の人気商品となっています。よかったらどうですか?」
優しそうな店員が笑顔で話しかけてきた。
食べてみたいという本能的な気持ちとお店側の仕掛けている権威への服従に乗ってはいけないという気持ちが自分自身の中で葛藤を生んだ。
ここは百貨店の数あるお店の一店舗に過ぎず、周りを見れば魅力的な商品が沢山ある。
「一通り見てから考えます。」
そう言って、お店をひとまず後にした。
「危ない、危ない。もう少しで戦略にはまるところだった。」
危機一髪のところでそのお店を後にしたことへの満足感に浸りながら、結局違うお菓子を買って帰った。
そのお菓子は家に帰っておいしく頂いたが、その一方、買わなかったチーズケーキを忘れることが出来なかった。
以前友達から元カノが忘れられないという話を右から左に受け流しながら聞いていたことがあったが、こういうことなのかと自分の中で何かが重なった気がした。
その時自分自身に残っていたのは後悔の念だった。
この権威への服従というセールスと行動経済学に関する理論には実は続きがあった。
企業はモンドセレクションの認定を受けるために本部に審査料を支払い、評価を依頼する。そして味覚や品質等の総合点数によって評価をするので、その商品を買う人にとってもメリットがある制度になっている。
冷静に考えれば分かりそうなことだが、本に書かれていた表面的な部分だけを鵜呑みに行動してしまった経験だった。
Episode2
年に1回友達とホテルのランチビュッフェで贅沢をすることが慣例となっている。
今年で5回目となるが、年々皆が大人になっていることをこの時実感する。
1回目の時はそれぞれが食べたいものをお皿一杯に盛るのが当たり前の光景だったが、健康を意識してか、年々バランスよく綺麗に盛り付けるようになっていた。
今年は誰がどんな盛り付けをするのかを一つの楽しみにホテルのランチビュッフェへと向かった。
毎年違うホテルに行くことにしているので、どんな料理があるのかまずは気になるところだが、その陳列を見たときに行動経済学のとある理論が頭をよぎった。
「リバタリアン・パターナリズム」
私たちは頭ごなしに指示をされると、どうしても嫌な気持ちになってしまう。
このように個人の選択に介入して自由を制限することをパターナリズムと言う。
だからこそ、自由な選択を尊重(リバタリアン)しつつ、気づかれないように人々の意思決定に介入してより良い意思決定に誘導しようとする動きが世の中に溢れているようだ。
ビュッフェでは入り口に近いほうから野菜を並べ、次に魚、最後に肉類という順番に並べるところが多々見られる。
その結果、常連客は知らず知らずのうちに多くの野菜を食べるようになり、それが健康を維持し、太りすぎを予防する。
野菜を食べろと言われると反発してしまいがちだが、自分で選択する中で自然とよりよい行動に誘導され、「最近、身体の調子がいいな」という常連客が増えると、お店の売り上げアップにも繋がるという構図だ。
手前から、野菜、魚、肉、デザートの並び・・・確信犯だと察した。
友達が手前からお皿に盛りつけていくのを横目に、その手には乗らないと奥側から攻めることにした。
インパクトのある肉料理を次から次にお皿に盛り付けていくとあっという間にお皿が一杯になった。
一足先にテーブルに戻り待っていると、バランスよく綺麗に盛り付けられた料理を持った友達が戻ってきた。
案の定、私のお皿を見た友達が第一声に「茶色!」と言ってきた。
とっさに「とりあえず食べたいものから順番に取っていったらこんな感じになっちゃった。」
と、食いしん坊みたいな言い訳を言った自分が恥ずかしくなった。
何とか挽回しようと次に料理を取りに行ったときに野菜をこれでもかとお皿に盛り付けた。
テーブルに戻り、「野菜ドーン」と言いながらお皿を見せつけるように置いたが、友達の反応は薄かった。
結局、周りの友達が大人への階段を着実に登っていくのとは反対に、子供への階段を下りているような気がした。
私たちの心の働きが経済を動かしているという行動経済学の考え方は、日常生活の中の見えないところで役立てられている。
それを学ぶことで社会の成り立ちを知ることが出来る反面、その情報に踊らされ、正しい損得の判断に影響を与えることも少なくない。
・モンドセレクション金賞受賞というレッテルをつければ買ってもらえるという考えに反発し、本来食べたいものを買わなかった偏った考え
・ホテルのビュッフェで野菜から取ってもらうという戦略に気付き、それに反発するように普段食べるはずの野菜をあえて取らなかったという偏った考え
情報が溢れる現代において何を取捨選択すべきかを考え、その状況において柔軟に対応すべき能力が求められるような気がする。
ただ最後に言っておきたいのは、人間はそういった情報を知ってしまうと心の片隅に対抗心が生まれるものである。
食べ放題で原価率の高いものを知っているとすごく食べたいということでもないのに、損得勘定でとりあえず頼むことはないだろうか?
いけない、ついつい熱くなってしまった。
この話の中で何が一番ダメージとして残ったかというと、
「野菜ドーン」の後の時が止まったあの瞬間だ。
忘れたことをふと思い出してしまうこの感じ・・・
元カノが忘れられないという気持ちが自分自身の中で再び腑に落ちた気がした。
モンドセレクションってほんとよく目や耳にするし、たぶん口にしたことも多々あるのでしょうけれど、、、いつも「金賞金賞って言うけど、巷に金賞受賞してるもんありすぎて、もはやその価値よく分からん!!」って思いますw 権威への反抗心というつもりは全く無いけれど(深層心理にはあるのかな??)、そういう謳い文句で購買意欲がそそられる事はあまりないかも。。。逆に私は「ラスト1点」「期間限定」とかいうワードにまんまと引っかかってしまうタイプですww
モンドセレクションには反応しない私でも、地味にグッとくる「賞」がひとつありましてね。それは「グッドデザイン賞」!!あの赤い「Gマーク」の付いた商品を見かけると、なんだかよく分からないけれどすごく優れものなような気がしてマジマジと見てしまうんですよね~ww
「元カノが忘れられない」、かぁ。。。男性は過去の思い出にそれぞれ「名前をつけて保存」、女性は「上書き保存」なので、男性のほうが過去を美化しがちって言いますねww
投稿者プロフィール
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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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コメント
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モンドセレクション受賞したお菓子は漏れなく美味しい。コレが寺ママの体感。だから、食べたことないお菓子でもモンドセレクションを受賞していれば美味しいはず。しかもお菓子なのだから大した金額ではないし、もはや選ばない理由が分からない。寺ママの味覚とモンドセレクションの審査基準が合ってるという事もあるけど、B.I.くん、頭でっかちなんだよ( ´ 艸 ` )
去っていく元カノを振り返る行動と
買わなかったチーズケーキの売場を振り返る行動
ええ、
おなじですね(そうかな?
野菜ドーンwww
いや、そこはやっぱり茶色一色でしょ
なにそのお下劣な肉の盛り方。。。くらいできっとちょうど良い
ほら、あれよロカボロカボ(あってる?