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予知能力
2019年3月1日 B.I
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
まさか未来を予知できるようになるとは。
5秒後、10秒後の話ではない。
5分、10分、いやそれ以上先に起こることが映像として頭をよぎる。
いつでも好きな時に未来を予知できれば全てがうまくいくような気もするが、そうはいかない。
ある一つの条件を満たさないと予知能力は発動しない。
その条件とは何なのか。
これからお話しするとしよう。
とある休みの日、ある人物からLINEがきた。
その人物から連絡が来るとき、それはつまり約3か月に1回のMT会の案内に他ならない。
約束当日、待ち合わせ場所で待っていると、そこにマグマ大使とニー坊が現れた。
個性豊かなあだ名が際立つが、この二人は大学の自習室でよく顔を合わせていたのがきっかけで仲良くなり、今でも定期的に遊ぶ仲である。
MT会はマグマ大使会の略で、主役であるマグマ大使のしたいことを一緒に楽しむのが基本的なポリシーとなっている。
ちなみにマグマ大使とは手塚治虫さんの漫画作品であり、1966年に国内初のカラー放送特撮ドラマとして放映されていたようだ。
大学の講義中に真剣にメモを取っているなと感心していると実はマグマ大使の絵を描いていたというオチで、それがなかなかのクオリティーだったので、そのままあだ名になった。
ただ、そのままではいかにも呼びにくいので、私が略してMTと呼び始めた。
当初はMTと呼ばれるのが恥ずかしかったらしく、名付け親である私にも恥ずかしい気持ちを味合わせてやろうとMTが絞り出して考えたのがBIだった。
これがBI誕生の経緯である。
ニー坊は彼が高校の時からのあだ名でNBと呼ぼうとも思ったが、対して略せていないのと呼びにくいので結局ニー坊に落ち着いた。
そんな彼らと今日することは決まっている。
時刻は午後2時、「カンパーイ」宴が始まった。
昼からおいしいお酒を飲む、回転寿司に行くという2つのミッションがMTから事前に伝えられていた。
このだらだらした感じがMT会の特徴といえる。
過去にはお好み焼き屋をはしごしたこともある。
時間を気にせず飲んでいるといつのまにか時刻は午後6時になっていた。
スローペースでお酒を飲み進めてきたがいい感じに空腹感が出てきた。
時刻を確認したMTが次の戦場に行くかの如く仲間たちを鼓舞し、店を後にした。
2つ目のミッションである回転寿司屋への移動中、どこに行くのか尋ねると、そこは過去に私がバイトをしていたチェーン店のK寿司だった。
最近アルバイト店員による残念な動画がテレビで流れる度に複雑な気持ちになるが、始めてその動画を見たときに帽子の色が目に飛び込んできた。
帽子の色が青色ということは・・・
関係のない話はこのぐらいにしておこう。
店に入ると懐かしい光景が広がっていた。
ここは私が働いていた店舗ではないが、内装や香りはまさに当時のままだった。
店内は多くのお客さんで賑わっていて数組が順番待ちの状況だったが、幸運にも入れ替わりの時間と重なりそんなに待たずして席に着くことができた。
「食べたいものをどんどんいこう!」MTが先陣を切った。
私がここK寿司でアルバイトをしていたことは以前2人にも話していたと思うが、そういった類の話は全く出てこず、自分から切り出すのも少し恥ずかしいなと思っていると、ふいにニー坊が「そういえばBIって回転寿司でバイトしてたことなかったっけ?」と聞いてきた。
さすがはMT会の頭脳担当、お互いの過去のエピソードをはっきりと覚えているところは以前と変わらず感心させられる。
お酒を飲み、全員がほろ酔い状態なので少しぶっこんだ話を挟みながら盛り上がっていると、後ろの席から「えびアボカド4つ注文するよ」という声が聞こえてきた。
その瞬間背中がゾッとした。
えびアボカドは私がバイトをしていた時のにぎり寿司の中で最も作るのが大変なメニューだったので、注文が入ったことが分かるとその都度ため息を漏らしていた。
それを一度に4つも・・・その注文を見た厨房の人はどんな顔をしているのだろう。
続けざまに後ろの席から「まぐろユッケ食べる人?」「はーい!」「じゃ4つ注文します」と聞こえてきた。
背筋が凍った。
まぐろユッケは軍艦の中で最も作るのが大変なメニューだ。
それを一度に4つも・・・ご愁傷様です。
なんだか悲しい気持ちになってきた。
今日はお客として来ているから作り手の気持ちは忘れよう、そう決心した。
しかし、その数分後、通路を挟んで隣のテーブルが気になりだした。
そこにはガタイのいい男子高校生2人が座っていた。
その2人が食べ始めたのは私たちより後だったが、見る見るうちにテーブルの上に皿が積み上がっていった。
私が気になったのは食べる量ではなく、食べ終わったお皿のほうだった。
K寿司では食べ終わったお皿を流し入れる場所があり、レーン下を流れる水によって洗い場へと運ばれるようになっている。
これにはいくつかのメリットがあり、お皿を流し入れるときに枚数がカウントされるのでお会計の時にお皿を数える手間が省ける、女性客はテーブルの上に皿を積み上げていくのが恥ずかしいらしくそれの解消に繋がる、一度に大量のお皿を流すことにより洗い場がすぐに一杯になってしまうのを防ぐ、といったことが挙げられる。
特に、洗い場に入っていて急に目の前に数十枚のお皿が流れ込んできたときのダメージといったら底知れない。
自分が合計何皿食べたか気になるという気持ちは分からないでもないが、その裏の苦労を知っているからこそ、少しずつ流してもらいたいと思ってしまう。
だが、隣のテーブルはそんなことはお構いなしと、最後まで皿を積み上げていた。
お会計の直前に次々と皿を流し入れる音が耳に入っては、悲しい気持ちが再び押し寄せてきた。
・・・ご愁傷様です。
やっぱりだめだ。どうしても色々なことが気になってしまう。
そんな中、「お寿司があんまり流れてないな。」MTがふいにつぶやいた。
同じようなことを言っている子供の声が周囲から聞こえてきた。
確かにこの時間帯、この込み具合にしてはお寿司が流れている量が少なすぎる。
厨房が回っていないのだろう。
一度こういう状況になってしまうとしばらくの間は取り返しがつかなくなることを痛いほど経験してきた。
厨房ではレーン担当と注文担当に分かれて作業をしているが、こういう状況になると注文が爆発してしまいレーン担当も注文のフォローに入って対応することになる。
注文件数がある程度落ち着いてからレーンのお寿司を埋めていくことになるので元の状況に戻るにはどうしても時間が掛かってしまう。
私の座っている席から厨房で働いている人の帽子が見えるが、右へ左へせわしなく動いている様子が見て取れる。
MTやニー坊は食べたいお寿司がレーンに流れてこないかと気を配っているが、私はそれ以上にお寿司が埋まった状態で流れているかどうかが気になってしまう。
先ほど注文したものを全員が食べ終えたところで「お腹の具合どう?」MTが聞いてきた。
正直なところ、だいぶ前から満腹感はあったが、それ以上に心配事が心を埋め尽くしていた。
全員が満足したので帰ることにした。
大変な状況下ではあるが私には何も出来ないのだ。
・・・ご愁傷様です。
ただ帰るときに気付いた唯一の救いは順番待ちのお客様が一人もいなかったことだ。
なんとかここを乗り切ってもらいたいという願いと共に店を後にした。
冒頭でご紹介した未来を予知するための一つの条件、それはK寿司の店舗の未来という条件である。
この能力は人に自慢できるものでもなければ、普段の生活に役立つものでもない。
でも、見方を変えてみると当時それだけ一生懸命働いたからこそ自然に身についたものではないか。
そう考えると胸を張って自慢できるような気もする。
仮に今回のMT会で話のネタとして話していたらどんな反応をしていたのだろう。
その反応を予知できる能力はどうやら私にはないようだ。
予知能力よりも。。。帽子の色が気になって気になって!!!w まぁ察するにリーダー的な人が被る色なのですねw 迷惑動画をあげる類の人の気持ちは私には全く理解が出来ません。なんなんでしょうね、アレは。ネット社会・動画社会の闇だなぁーと思うばかりです。
話は変わりますが、ひとつB.I氏に謝りたいことがあります。。。私ね、お寿司大好きなんです。、、、えびアボカド・・食べますw行ったら絶対頼みますwもちろんまぐろユッケもww 中(厨房)の人たち、今まで本当にごめんなさい!そしてこれからも私はそれらを注文し続けることをここに誓いますww
予知ではないですが、いつからだろう?回転寿司屋さんで来店時間をネット予約できるようになったのは大変画期的だなと思います。それまで土日の昼間なんて、お子さん連れで出入り口まで待ち人たちでうじゃうじゃ、、なんてザラな光景でしたもんね。事前に来店時間をや人数を予測できればお店側も対策も取りやすくなるのかな?どーでもいいですが、我が家の近所の濱寿司では、pepperくんが不気味に案内してくれますww
投稿者プロフィール
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新メンバーで業務部の「B・I」こと大島知弥。月初のブログ当番。彼が書く文章は実話に基づきながらもどこか小説風。しゃちょーから月初当番を任されるのには頷けます。資格試験の猛勉強も継続中!
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コメント
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B.I、M.T、N.B。。。そして、マグマ大使会。。。
いいな、楽しそう。。。
K寿司(混沌)予知能力とは希有な能力ですね
もしやM.T氏に名前をつけられたことで
クラスアップしているのかもしれません
「えびアボカド」
ああ、食うよ、マストだ
「まぐろユッケ」
頼まない理由がない、もちろん全員分だ
混雑しているときこそ食べたい一品だねぇ。。。